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【2019年版】日本のファブ施設調査——調査開始後、初の減少 2018年比15%減d

fabcrossはファブ施設(メイカースペース)を定期的に取材する国内唯一のWebメディアとして、2015年から定点調査を行っています。

日本のファブ施設数は163カ所。昨年比28カ所の純減

日本全国のファブ施設は2018年の191カ所から28カ所減の163カ所でした。2015年の調査開始から減少に転じたのは初めてであり、地域別集計でも全ての地域で減少しています。

クローズした施設は小規模なスペースや自治体が運営するスペースが大半でした。前者は採算性がネックとなっていることが過去の取材から推定されます。後者については、2019年にファブ施設を閉じた自治体に電話で問い合わせたところ、設置から3年目で運営を見直した時点で、利用者数など想定していた成果が出せずに終了したという回答を得ました。

過去5年間の推移。2018年をピークに今年は減少に転じる。 過去5年間の推移。2018年をピークに今年は減少に転じる。

こうした傾向は2019年に始まったものではありません。運営上の課題として採算性を挙げる運営者が多いことは過去の調査レポートの記事でも言及していたとおりです。それに加えて、いわゆる「メイカーズムーヴメント」の影響が完全に落ち着き、ビジネスとしてファブ施設の運営が見直された結果、閉店・終了を決めた運営者が今年は多かったのだと思われます。

ファブ施設の減少傾向は海外でも起きています。2019年1月にfabcrossの連載で高須さんが翻訳した記事では、深センのメイカースペースバブルが完全に崩壊したことが紹介され、多くの反響が寄せられました。

【アジアのMakers by 高須正和】
中国メイカースペースバブルと崩壊後|fabcross

また、Maker Faire Tokyoを運営するオライリー・ジャパンが運営するメディア「Make:」では、イタリアに100カ所以上あったファブラボの大半が活動していないと報じています

全国的に減少傾向。ファブ施設はオープン型からクローズド型へ移行か

京都造形芸術大学内にある工房「ULTRA FACTORY」は、最新のデジタル工作機械からアナログ工作機械まで揃う。(画像出典:京都造形芸術大学のウェブサイトより) 京都造形芸術大学内にある工房「ULTRA FACTORY」は、最新のデジタル工作機械からアナログ工作機械まで揃う。(画像出典:京都造形芸術大学のウェブサイトより)

近年の傾向としては、オープンな場所としてのファブ施設の新設は減り、学校や企業の中にファブ施設を作る動きが活発化しています。

ファブ施設単体での運営は厳しい一方で、IoTやAIを活用した製品開発をフレキシブルかつ迅速に行う環境へのニーズは教育・ビジネス両方の現場で高まっています。fabcrossの定点調査では利用者が限定される施設は対象から除外しているので、こうした施設はカウントしていませんが、今後も利用者と目的を絞り込んだファブ施設が増えていくと見込んでいます。

fabcrossではファブ施設をかつて運営していた事業者への取材を予定しています。 取材可能な方がいらっしゃいましたら、編集部までお問い合わせ下さい。

※記事初出時、「ULTRA FACTORY」に関する記述内容に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

調査概要

2019年ファブ施設調査は、2018年11月1日から2019年11月30日にかけて、主にこれまでの取材記録やインターネット検索、Eメール及び電話での取材を基にしたものです。学生・教職員しか利用できない大学内施設や、社員限定の施設など、一般利用不可の施設は対象外としています。

調査結果をまとめたグラフの著作権はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示–非営利–改変禁止 4.0 国際)を採用しています。ライセンスで認められている範囲において自由にご利用下さい。

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