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トラブルをアイデアに変え、新製品を生み出す企業の力

きっかけはトラブルだった——旅館の食事に欠かせない「例の青い固形燃料」が生まれた理由

成型条件の微妙な調整が量産のカギ

製造工程を取材すべく、茨城県龍ケ崎市にあるニイタカのつくば工場を訪れた。液体を通すための配管が縦横無尽に張り巡らされた化学工場独特の雰囲気の中、カエンを製造するセクションに案内された。案内してくれたのは、工場長の大西氏、工場長補佐の堀氏、製造課長の中島氏の3人。

「主原料のメタノールを固形化剤とともに調合槽に調合後、成型ラインに供給されます。パイプを通るうちに冷却され、棒状の固体になります」

製造課長の中島氏から説明を受ける。配管の先から薄いブルーの円柱状の棒が押し出されてくる。このあたりのノウハウが量産のキーポイントなのだろう。次の工程は切断だ。一定のピッチで上下に渡された細い針金の間へ棒を通すと、輪切りができる。料理で使う卵の輪切り器を思い出してもらえると良い。上下に渡された針金と針金のピッチが、円柱の高さを決める。断面にも微妙な溝を付ける。こうすることで着火がしやすくなる。小さな工夫だが、使う側にとっては見逃せないポイントだ。

針金で輪切りにして形を整える 針金で輪切りにして形を整える
個包装された固形燃料は、さらに一定数ごとにアルミの袋で包装される。 個包装された固形燃料は、さらに一定数ごとにアルミの袋で包装される。

製品としての完成度をあげる

成型が終わり、輪切りになった固形燃料はひとつずつシュリンクフィルムで包まれる。主成分のメタノールが時間とともに気化していくのを防ぐためだ。さらに底面から側面にかけてアルミ箔が巻かれる。シュリンクフィルムとアルミ箔ではくっつきにくいように思えるが、サンプルを見せてもらうとピタッとくっついている。接着剤で付けているとのこと。工程の手間を惜しまず、製品としての完成度を上げている。成型された燃料はベルトコンベアで流れていくが、大きさや形がそろわないものは、途中の過程でどんどんはじかれていく。エアで狙い撃ちしてラインから外れるさまが見ていて楽しい。

個包装された固形燃料は、20個または40個単位で同じくアルミ蒸着された袋に詰められ、さらに段ボールケースに梱包され、倉庫へと搬送される。ここまでの工程はすべて自動化されており、人間の役割は機械のモニタリングがメインだ。

「業務用洗剤にしろ、カエンにしろ、つくば工場ができた30年前から自動化を目指した工程システムを作ってきました。こういった製品を作る上でここまで自動化された工場は、当時はあまり多くはなかったと思います」

そう語る工場長の大西氏。将来を見据えた設備投資が今も安定した製品を量産し続けている。よく見る商品にもさまざまな工夫が施されている。デザインにも工夫がある。その形状に至るにはさまざまな必然がある。作るものは異なるものの、ハードウエアのものづくりにも参考になるのではないか?

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