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トラブルをアイデアに変え、新製品を生み出す企業の力

きっかけはトラブルだった——旅館の食事に欠かせない「例の青い固形燃料」が生まれた理由

匠の知恵で生み出す新製品。新しい販路

ニイタカでは、業務用洗剤、固形燃料に並ぶ主力商品の除菌薬の分野でも最近画期的な商品を開発した。食中毒対策として、食品業界の現場では、飲食店であれ、加工工場であれ、手指の消毒は欠かせない。薬用ハンドソープでの手洗いに加えて、アルコール製剤の使用が対策のひとつである。

特にノロウイルス感染対策には主に次亜塩素酸が使われるが、手軽に使用することが困難である。ヒトノロウイルスは培養できないので、ノロウイルスの不活化証明は、現在国内では代替ウイルスであるネコカリシウイルスを使用しているが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)等は複数のウイルスで効果を検証する方法を推奨している。代表的なヒトノロウイルスの代替ウイルスは、ネコカリシウイルス、マウスノロウイルスである。そこでニイタカは自社新製品をこの2つの代替ウイルスを用いて、国内で初めて自社アルコール製剤による不活化証明をした。食品添加物由来のアルコール製剤でもあり、家庭などでも使えるほど安全性も高い。カエンとは異なる分野だが、同じようにさまざまな難しい条件を工夫によってクリアする匠の知恵が生きている。

工場で作られるアルコール製剤 工場で作られるアルコール製剤

世界デビューする日本の知恵

工夫に工夫を重ねたニイタカ製品は今、海外へ飛躍しようとしている。日本食の需要が伸びているからだ。淡白で量は少ないかもしれないが、ヘルシーで見た目も美しい日本料理は今、海外でもウケている。大きな都市にはたいてい日本料理店がある。ここで目にする日本生まれの小型固形燃料に海外の人たちはどんな反応を見せるだろうか? 自国の食文化に取り入れようとする料理人も現れるのではないか? もちろんカセットコンロで温める方法もある。ただ無骨なカセットコンロは旅行や外食といった特別な食事、いわばハレの日の膳の上では興ざめだ。お膳を含め、見た目を重視する日本料理にもマッチしない。
ただ、海外への輸出は簡単ではない。クリアしなければならない各国独自の規制があり、右から左に商品を動かすというわけにはいかない。電気製品には電気製品の、薬品には薬品の規制がある。特に「カエン」のような可燃物はことのほか厳しい。この壁を乗り越えてこそ、海外へ進出できる。

良い企画を思い付いてもそれを商品として製造するとなると、そこにはさまざまな障壁が待ち構えて いる。それをひとつひとつクリアしていかねば、世に問うことはできない。その辺りは、こういった化学製品であれ、ハードウェアであれ、まったく変わらない。ハードウェアではないものの、同じようにものづくりの魂が宿ったメイド・イン・ジャパンの製品がどんな影響を及ぼすか、今から楽しみだ。

ドイツのレストランで使われているカエン。 ドイツのレストランで使われているカエン。
今回ニイタカつくば工場を案内してくれたスタッフ。左から工場長補佐の堀氏、工場長の大西氏、製造課長の中島氏の3人。 今回ニイタカつくば工場を案内してくれたスタッフ。左から工場長補佐の堀氏、工場長の大西氏、製造課長の中島氏の3人。

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