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1カ月1000円工作

アウトドアで使えるイスを1000円で作っちゃおう!

一人1000円以内でものづくりをする「1カ月1000円工作」。最近は涼しくなって、アウトドアに最適なシーズンになってまいりました。

そこで今回は「アウトドアで使えるイス」をテーマにものづくりをしていただきました。

レギュレーションはいつも通り。材料費1000円以内で、テーマに沿ったものを作っていただきます。加工にかかる費用は含みません。

今回のメンバーは以下の3人です。

サラリーマン工作員(左:ムカイさん、右:サワイさん
某メーカーのエンジニア2人組。週末はクリエイティブ筋を鍛えるために、Makers' Baseに通いものづくりをしている。

町田美菜穂さん(中央)
某芸術系大学大学院を2016年3月に卒業。建築科を卒業後、大学院でデザインを専攻。

 

このチームの癒やし、三谷さんは今回は都合によりお休みです。

アウトドアで、何かと活躍するイス。1000円でどんなクオリティのものができあがるのでしょうか。Let's DIY!

ムカイさんは座り心地も重視した組み立て式変形イス

さて、トップバッターはムカイさん。取り出したのは、コンパクトな板ですね。どうやらこれを組み立てていくようです。

結構パーツが多いようですが、ムカイさんはサクサク組み立てていきます。

完成! 時間にして約3分。パーツ数の割には意外とスムーズですね。座り心地は?

なかなかよさそう。ムカイさん曰く「座面のカーブは、イームズのイスと同じカーブにしています。座り心地にはこだわりました」とのこと。さすが人間工学を専門にしているだけはあります。

「これだけじゃないんですよ」と言うと、ムカイさんはいったんイスをばらして、再度組み立て始めました。

なんと、テーブルとiPad兼ドリンクスタンドが完成しました! そう、トランスフォームするイスだったんです。

構想を練っているときに、使用する板の数が多いことから、いろいろな形にできるのではと思いついたんだそう。

BBQなどはもちろん、アウトドアで仕事をしたいとき(?)にも便利そうです。

作業工程をちょっと拝見しましょう。

いつものアイデアスケッチですね。この段階でかなり細部まで設計が頭の中で行われているようです。

材料はムカイさんお得意のMDF。600×900mmを2枚使用しています。それをレーザーカッターで切り出していきます。設計図は書かずIllustrator上で描いたそうです。

実際座ってみると、見た目よりも座り心地はいいですよ。これを2つ3つ用意しておくと、アウトドアのときに便利かも。2つはイスにして、ひとつは机にして、みたいな感じで。

材料費は886円でした。

町田さんはフェス向け一脚イスを製作

お次は町田さんです。どんなものを作ってきてくれたのでしょうか。

「今回は、野外フェスで使うことを想定したイスを作ってきました」

野外フェス……。どんなイスなんでしょう。

板についているベルトのわっか部分を足に通して、しっかり固定します。ここは100円ショップで購入したベルトを使用。

金具部分が切り込みより大きくなっているので、ここで固定される仕組み。腰より下くらいに板が固定されますね。

これが使用時の状態です。一脚イスなんですね。

「設計ミスで、座面の板の角度を45度にしたら、お尻が乗らないんですよ(笑)。なので、足を通しているベルト部分で身体を支えています。要は、ベルトが座面になっています」

座ってみると、思いのほか安定しています。ポイントは、装着した状態で移動できること。

「尻尾みたいに着けておけるのがポイントなんです。一脚イスは市販製品でもありますが、使うたびに組み立てたりする必要があります。でもこれは、着けっぱなしにしておいて、いつでも座ることができます。周囲の人の迷惑を考えなければ、ですけど(笑)」

なるほど。まあ見た目はあれですけど、一応着けっぱなしにしておけますよね。ただし、階段を上ることはできても、降りるときはガタンガタンしてたいへんだとか。

製作風景はこちらです。

使用しているのはイレクターパイプ。塩ビ管の金属バージョンのようなもので、安くて強度が高いのが特徴。「1000円工作でいつか使いたかった素敵アイテム」なんだそう。

座面に45度で取り付けているところ。ビスが刺さる部分は長さ確保のために板を2枚重ねにしています。

「100円ショップで買ったベルトを2本通しました。片方のバックルは不要なので外します」

裏側から見た様子。わっかの部分に足を通してぎゅっと締めるんですね。

これ、見た目よりもちゃんと座れるんですよ。地面が滑るところだとやや不安定ですが、砂や土などのところでは、しっかり座れます。

「原宿でパンケーキの列に並んでいるときにどうですかね」とは町田さん。うん、やってみてください!

材料費は930円でした。

サワイさんはフリマで役立つ立ったまま座るイス

最後はサワイさんです。座面があまりないイスですね。高さもあります。

「これは、立ったまま座れるイスです」

言葉的に矛盾しているようにも聞こえますが、使ってみるとわかります。ほぼ立っているときと同じ状態のまま、座っていられるイスなんです。

こちら、畳むとこうなります。で、このまま……、

クルマのトランクにぴったりと収納できます。もちろんサワイさん車専用です。高さもサワイさんに合わせて作られています。

サワイさん曰く「フリマの際、売り子が座っていると印象が悪いんですよ。立ったまま売るのと座って売るのでは、売り上げが全然違う。だから、立ったままの状態で休めるイスを作ったんです」

さすが、フリママスター・サワイ。フリマの神髄を知っているからこそできた作品ですね。

製作過程はこんな感じです。

こちら、プロトタイプ。工作用紙で作っています。

まずはIllustratorで2Dの作図を行います。この時点でかなり具体的ですね。

実はサワイさん、現在3DCGにも挑戦中。今回Fusion 360で3Dモデリングを行いました。よくできてる!

材料です。SPF材にボルトとワッシャー。シンプルです。

カットと穴開け。今回穴開けの際、木材の厚みがあったため結構苦労したようです。

座面裏側のストッパーはスライドソーで加工。部材はオイルステインで渋めの仕上がりにしています。

仮組みの様子。ほぼ完成ですね。荷台にもぴったりサイズでした。

これ、完全にサワイさん専用となっています。自分にぴったりのものを作れるというのも、ものづくりの醍醐味ですよね。

材料費は970円です。

1000円でもイスってできるね

さて、今回3種類のイスができあがりました。このお題を出したとき「1000円でイスってできるのかな。しかもアウトドア特化の……」と思っていたのですが、できるものですね。みなさんのアイデアと工作技術に脱帽です。

ところで、そろそろ1カ月1000円工作第2シーズンもクライマックスを迎えようとしています。次回は、2チーム合同であるものを作っていただく予定。

どんなものができあがるのでしょうか? お楽しみに!!

 

撮影協力:Makers' Base

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