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専門家によるドローン分解レポート

バラしてわかった!! 超人気ドローンは3000個のパーツで組み立てられた空飛ぶノートパソコン?!

フライトデータレコーダも搭載 

航空機が事故を起こした際に原因究明のために解析されるフライトデータレコーダも搭載されている。プロペラ制御を行っている基板の中央にマイクロSDカードのスロットがあり、ここに挿したマイクロSDカードに高度やプロペラの回転状況の他、位置情報などが記録される。飛行後にUSBケーブルで本体とパソコンを接続するか、スロットからマイクロSDカードを抜き出して飛行記録を取得する仕組みだ。このように、飛ばした後もいろいろと楽しめることが、本製品が売れている理由の一つかもしれない。

飛行記録を保存するマイクロSDカードのスロットは、プロペラを制御する基板の裏に設けてある。 飛行記録を保存するマイクロSDカードのスロットは、プロペラを制御する基板の裏に設けてある。

航続時間を延ばす鍵はなにか?

仕様上の航続時間は約23分となっているが、これは撮影したい場所まで片道5分かかった場合、帰りの5分を除けば現場での撮影時間は10分ちょっととなり、そう長く飛んでいられるわけでもない。

「これからのドローン開発で各社が力を入れているのが航続時間の延長で、その鍵となるのが新素材の採用です。9月にドイツのベルリンで開催されたIFA 2015でドローン関係のブースをいくつか回ってみたのですが共通した認識でした。バッテリを大きくすればモーターの駆動時間を延ばすことができるのですが、そうすると全体の重量が重くなるので航続時間はあまり延びない。今は現状のバッテリのままで、より軽くて丈夫な新素材を使うしかないようです」(柏尾氏)

一方で、機体の形状についても改良が進められており、ステルス機みたいに平たくして空気抵抗を減らすだけでも5分単位で航続時間が延びるそうだ。 

1.PHANTOM 3に搭載されているバッテリ容量は4480mAh。重量は本体の半分くらいを占める。2.実際には1120mAhの薄型リチウムイオンポリマー電池を4枚束ねている。 1.PHANTOM 3に搭載されているバッテリ容量は4480mAh。重量は本体の半分くらいを占める。2.実際には1120mAhの薄型リチウムイオンポリマー電池を4枚束ねている。

最後に、柏尾氏に今回の分解調査の感想を伺ってみた。

「約20万円という高額にも関わらず、その中身についてはモジュール化が進んで結構手を抜いているなと感じました。もっと基板の枚数が少なくてシンプルな中身を期待していたのですが、分解してみると9枚の基盤があり、部品と部品を繋ぐコネクタもたくさんあって、金額に見合うような高度なインテグレーションはされていないなという印象です。

これまでいろいろなものを分解してきましたが、PHANTOM 3の部品点数約3000個はノートパソコンとほぼ同じくらいです。重さといい価格といい、まさにノートパソコンを飛ばしているような感覚ですね」 

分解協力/写真提供:フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ

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