自作ゲームのススメ by TMCN
ゲームは買うな!作っちゃえ!安いセンサでガッツリ遊べる自作ゲームのススメ
——ゲームとして「短距離走レース」を設定したのは?
「自分たちで開発したセンサデバイスをゲームで利用するにあたっては、いろいろと考えました。ラケットに装着したテニスゲームや、ジャイロセンサ使って動きやフォルムの正確さを競うものなど、インタラクティブ性の高い市販ゲームなども参考にしました。でも、子どもが簡単にできる、というか誰でもが簡単にでき、さらに競争することによってエンタテインメント性が生まれることなどから、走りに落ち着きました」
これまで小学校、経産省のイベント、8月のMaker Faireと3回ほど体験の場を設け、多くの子どもたちが参加した。
子どもたちはよく走った。目はディスプレイ(に映るキャラクター)にくぎ付けになり、誰よりも速く、一心不乱に足を踏み鳴らす。1位になると嬉しいし、負けると悔しい。もう一度! 次こそは勝つ!…… 勝負の世界は、リアルもバーチャルも子どもの心を本気にさせる。
タイムトライアルという挑戦もある。プレイヤーが一人の場合、当然順位は関係なく、タイムだけが表示される。記録への挑戦だ。経産省のイベントでは、一人黙々と自分の限界に挑んでいた子もいたという。子どもの反応は正直で、怖い部分もあるが、どれだけのめり込んでもらえたか結果がストレートにわかる。そういう意味でこのゲーム、大成功といっていいだろう。
Maker Faireでは家族連れも多く参加した。父親と子ども、兄弟同士のレースも楽しい。なるほど、走るという原始的で本能的な動きも、競争とかタイムが絡むとみんなむきになるようで、シンプルだけどゲーム性はかなり高い。
ちなみに、身体的・体力的な理由などで走ることが難しい場合は、手に持って振るという方法もある。
まずは作ってみる。今はそれができるとき。
既存のソフトも楽しいけれど、ユーザーそれぞれ、たとえばその人、その家族なりのゲームがあっても面白い。このデバイスを活用すれば、そんなさまざまなゲームが自作できるのでぜひ挑戦してほしいと秦さん。
「ここ数年でセンサやデバイス、マイコンなどが安価で入手できるようになり、電子工作に関心が高い人たちにとって嬉しい環境ができていますよね。ゆかいな作品もいっぱい目にします。一方で興味はあるけれど、まだ作るには至っていないという人もいるでしょう。せっかくハードルが下がったのだから、やらない手はない。
『なんでも自作センサーデバイス』は、最初の一歩としていいと思いますよ。もちろん、PC側のプログラミング、Unityの設定など簡単ではないかもしれませんが、何度でもトライ&エラーを繰り返し、試行錯誤の末に完成したときの喜びはきっと大きいはず。まずは挑戦してみて、いつかおもしろいものができたらぜひ連絡をください」