ワークショップ体験レポート
驚異の音の拡がりを生む多面体スピーカーをDMM.make AKIBAで作ってみた
秋葉原にある会員制スペース「DMM.make AKIBA」は最近ワークショップに力を入れている。そこで手に入るのは削り出しで作るルーペやハンマー、Bluetooth対応の真空管アンプなど、一見難易度が高そうだけど、こだわりの逸品テイスト溢れるものばかりだ。そこで今回は、中でも最も難易度が高いワークショップの一つ「多面体スピーカー」に、中学生の時に工作で5段階中2を取ったことがあるくらい工作が苦手な筆者がトライしてみた。
多面体スピーカーとは何か
今回作る多面体スピーカーは、12面体のうち9面にスピーカーを配置したもの。立体的な音の拡がりと、360度どこからでも聞こえる無指向性が特徴だ。
既製品を購入する場合、2つセットで30~40万円もする高級品だが、今回のワークショップの参加費は6万4000円。ものづくりのワークショップとしては高価だが、既製品の8割以上安い値段で手に入ると思えば、オーディオマニア系Makerにはたまらない内容だ。
ワークショップは段取りが命
さっそく説明に沿って組み立てを始めていく。ちなみに、今回の予定作業時間は休憩を含め6時間。絶対時間内に完成しないだろうという筆者の心配をよそに、まずはパネルの下準備から開始する。
三脚を取り付ける底面のパネルを中心に、穴が左右対称になるようにスピーカー面のパネルを並べ、後でスムーズに組み立てられるよう鉛筆でマークしていく。
次に、底面の三脚用パネルにザグリを入れる。ザグリとはネジの頭部を埋め込むための穴で、この穴がある事でネジの頭が出っ張らなくなり、表面がきれいな仕上がりになる。
こうしてザグリを開けた穴に皿ネジを通し、裏側に固定板と専用の金具、スペーサーを取り付け、ナットで固定する。
ちなみに今回用意された材料のうち、木材パーツは全てDMM.make AKIBA内の機械を使って加工したもの。木版を嵌め合わせる側面は52度できっちり加工し、スピーカーを嵌め込む表面も薄く窪みを付けるなど、デジタル工作機械だからできる、さまざまな工夫が凝らされている。
次に、スピーカー面の内側4点の穴にインサート金具を取り付ける。1面につき4点×18枚なので、この作業を72回行うわけだが、こういう地味な作業になると無口になってしまう。
ここから、いよいよスピーカーの外側を組み立てていく。まず最初に、マーキングした形に添ってパネルの辺同士を合わせ、裏側からマスキングテープで固定する。