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ワークショップ体験レポート

驚異の音の拡がりを生む多面体スピーカーをDMM.make AKIBAで作ってみた

いよいよスピーカー部分の組み立てに着手。そろそろゴールが見えてきそうで、まだ見えてこない。

まずは2種類のケーブルをグルーピングし、各端子と電線の端子部分を繋げる際に識別しやすくするために、+を赤、-を黒のサインペンでマーキングする。ここでもこうした下準備をする事で、不器用な人でもスムーズに組み立てられる。

「何事も急がば回れだ」と工作が苦手な事を棚に上げて、上から目線で言いたくなるほど、ここまでの作業は当初の予想よりもスムーズ。

ケーブル同様に、スピーカーの端子部分とアンプからのケーブルを繋げるターミナルアダプタ部分にも、赤、黒のマーキングを施す。

次にマニュアルに沿って、ケーブルの先端が赤黒でペアになるようにマスキングテープで仮止めして、ターミナルアダプターに繋げる。同じ色同士を繋げるだけなので、何も考えずにスムーズに配線できる。やっぱり段取りが大事ですね。

次に、ナットが埋め込まれたアタッチメントを本体にネジ止めしていく。このパーツも3Dプリンタで出力したもので、今回のスピーカー用にオリジナルで開発したものらしい。パーツにまでこだわって社内で作っているとはお見それしました。

いよいよスピーカー取り付け~テストを経て完成へ

ここまで来れば、あと一息。まずは先ほど仮止めしたケーブルを本体の中に入れ、スピーカーが入る口の近くで端子を1組ずつ仮止めする。こうすれば、後でスピーカーを繋ぐ際に中の配線がぐちゃぐちゃにならず、一つ一つ確実に取り付け作業ができる。

次に、スピーカーを一つずつ取り付けていく。ここでもスピーカーの向きが同じになるよう、一つずつ確認しながら取り付けていく。

これを18個分やっていくが、この時点で既に達成感が出始めているので、作業といった感じはなく、着実にゴールに向かっている感じがする。

最後に2種類の検査を経て、全てのスピーカーに正しく通電して音が届いているかをチェック。問題がなければ完成だ。

試しに手持ちのスマホから音楽を鳴らしてみたが、家にある普通のスピーカーとは違う音の拡がりに驚いた。田舎でカフェでも開業して、このスピーカーで音楽でも流そうかなと妄想に耽ってしまった。

当初の予定よりも30分程度早く終わったのは、筆者が器用だからではなく初心者でも失敗しないような手順や部品構成を設計した、DMM.make AKIBAのスタッフのおかげであることは言うまでもないだろう。

今回のワークショップについて、講師の阿部さんに伺ったところ、当初社内で企画提案があった際は難しすぎるのではないかという意見もあったそうだが、スタッフが協力しあって、何度か試作を重ねて、組み立てやすさとクオリティを両立した形に仕上げたという。確かに参加する前は自分にできるだろうかと、かなり不安だったが、こうして完成できた裏には、いかに作りやすく製品とワークショップ自体をデザインするかという、運営者側の工夫もあるという事は忘れないでおきたい。

なお、今回のワークショップは、日頃プロフェッショナルな工作機械を扱うテックスタッフが終始しっかりサポートしてくれるだけあって、1回の受付人数は5名程度と少ないので、興味のある方は早めに申し込んでおいた方がよさそうだ。

取材協力:DMM.make AKIBA

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