はやりのデバイスで作る、幼児も使えるIoT
液晶付きマイコン「M5Stack」 と Google Home で、子どもとメッセージがやりとりできるシステムを作ってみた
メッセージ送信のしくみをつくろう
送信と受信というと紛らわしいですが、本稿では子どものいる家を起点に見ていきます。
まずは送信側、つまり、子ども→父、の部分についてご説明しましょう。「子どもからメッセージが届く!」という、親視点では本システムの醍醐味の部分。しかし非常に簡単に作れます。スマートスピーカーの定番、IFTTT連携を使います。
まずは、メッセージがどう伝達されていくのか、この図を見てください。
Google AssistantはGoogle Homeに入ってるAIの名前ですね。
IFTTTというのはウェブサービスの名前です。「Aが起きたらBをする」という連携機能をかんたんに作ることができます。たとえば「天気予報が雨なら自分にメールする」とか、「Facebookに投稿したらTwitterにも投稿する」とかですね。この、きっかけになるAは「トリガー」、連動するBは「アクション」と呼ばれます。
今回は「Google Assistantに話しかけたらFacebookメッセンジャーに送る」を作ります。
実際の設定方法を、順を追って見てみましょう。まずはIFTTTのサイトに行って、ユーザ登録します。そしたら画面の上にメニューが出ますよね。
右から2番目の「My Applets」を押すと、右の方に「New Applet」というボタンが出るのでそれを押します。
こんなのが出てきたでしょうか。ここでおもむろに、青文字の「this」を押してみましょう。
これがトリガーの選択画面です。一生かかっても使いきれない数のトリガーが出てきます。今回は「Google Assistant」を探してください。上に検索ボックスがあるので使いましょう。
これだ! で、押すと、初めての連携の場合はGoogleアカウントの認証画面が出てくると思います。画面の指示に従って完了しましょう。それが終わると、
こんな画面が出てきます。トリガーとして使うフレーズ(この機能を動かすためにGoogle Homeに言う言葉)を、固定にするか、一部を可変にするか、という選択です。今回は可変にしてメッセージを含めたいので、左から3番目を選びます。
詳細を設定する画面です。上から3つは、Google Homeに話しかけるときのフレーズを入力します。半角の「$」で指定した部分は可変になり、この部分がアクションに渡されます。上のキャプチャの設定だと、例えばGoogle Homeに「OK Google、お父さんに『早く帰ってきて』って送って」と言うとこのトリガーが起動し、可変部の「早く帰ってきて」がアクションに渡されます。追加で下に2つまで、同じ動作をする別フレーズが設定できます。$の前後には半角スペースが必要なので注意。
その下には「What do you want the Assistant to say in response?」というフィールドがありますが、これは上で設定したフレーズを言われたとき、Google Homeがする返事を設定できます。僕は「はい、$と送ります」と入れました。$にはさっき送信対象になったフレーズが入るので、「はい、『早く帰ってきて』と送ります」みたいな感じになるわけですね。
その下は言語設定なのでJapaneseを選んで、「Create Trigger」を押しましょう。これでトリガーの設定は終わりです。
この画面に戻ってきました。次はアクションを設定していきます。設定の仕方はトリガーと似たような感じです。
青文字の「that」を押して、Facebook Messengerを選びます。かわりにLINEを使うことも、メールを送ることもできます。ここはお好みで。
(Facebookメッセンジャーを選んだとして)この連携が初めての場合、メッセンジャーを起動するボタンが出てくると思います。起動するとメール認証を促すメッセージが送られてくるので、メールを開いてリンクをクリックすると認証完了です。
続いて、機能選択の画面。メッセージを送るので「Send message」を選びます。次にアクションの詳細設定が出てきますが……。
デフォルトのままでもメッセージ本文は届くのですが、僕は返信をしやすいように返信用メールアドレスを入れました。Message textのところに下記のように入れます。
{{TextField}} : from Google Home trigger@applet.ifttt.com
返信先アドレスは誰でも同じなので、このままコピペしても大丈夫です。
最後に、いま作った組み合わせに名前を付ける画面が出ます。ここは適当に「Google HomeからFBメッセンジャーに送信」的な名前を付けて「Finish」を押します。
これで、送信側は完成です。Google Homeに「おとうさんに〇〇って送って」と言うと、お父さんのFacebookメッセンジャーに届くようになりました。子どもからメッセージがとどく! 親の充足感はひとまず確保です!