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「バラしてみたらオドろいた」家電分解ジャーニー

ターンテーブルとカセットテープをフュージョンしてみた

私はカセットテープでDJをしていますが、ターンテーブルやCDJなどの機材を使ってDJをするのが一般的です。クラブやライブハウスの機材は、カセットテープでDJをするようなセッティングになっていないため、準備などに手間がかかってしまいます。他のDJと同じく、ターンテーブルでカセットテープを再生することはできないかと考えてみました。

DJイベントなどでカセットテープDJをする際、自分の番が回って来た時に機材準備に手間取って場が盛り下がってしまうということがありました。DJイベントでは基本的に2台のターンテーブルが用意されており、前のDJがかけた曲を次DJが別のターンテーブルでうまくつないで進行していくので、DJの順番が変わる時も音楽を止めることはありません。「カセットテープDJもターンテーブルで音を出せるようにしたい」という思いが今回の発端です。

準備に手間取ると人は盛り下がる 準備に手間取ると人は盛り下がる

DJ用のターンテーブルってどんなもの?

まずは、一般的なDJ用ターンテーブルとはどんなものか改めて見てみましょう。

DJ用のターンテーブル DJ用のターンテーブル

ターンテーブルはご存じの通りレコードを再生するためのマシンです。レコードは溝に音の情報が記録されていて、再生時はヘッドシェルと呼ばれるレコード針が付属しているユニットを、回転するレコードになぞらせることにより、針の振動を音に変換しているのです。

ヘッドシェルは簡単に交換できる

レコード針は使い続けているうちに摩滅していく部品です。そのためヘッドシェルは針先を交換しやすいよう、分解できる作りになっています。

ヘッドシェル ヘッドシェル

この部分にカセットテープの音声出力をつなげられるようにすればターンテーブルから音が出力できるような気がします。今回はターンテーブルにカセットテープの音声が入れられる変換アダプターを作ってみようと思います。

ターンテーブルの音はPHONOアンプから再生される

ヘッドシェルと針はリード線で接続されています。ここをヘッドホンジャックなどに置き換えればターンテーブルと接続したミキサーやアンプを介して音が出せます。ただし、ターンテーブルの音はフォノイコライザーアンプと呼ばれる専用の増幅回路を介して再生するため、注意が必要です。レコード針の信号は非常に微弱な信号です。さらにレコードの性質上、録音(カッティング)時に以下のような処理がされています。※1

  • 低い周波数の音は振幅が大きいため小さい音で録音される
  • 高い周波数の音はノイズが混じりやすいため大きい音で録音される

上記は「RIAA(Recording Industry Association of America)カーブ」という規格にのっとってレコードに記録、製造されます。フォノイコライザーアンプはRIAAカーブで記憶されたレコードの音の情報を元に戻すために1000Hz付近を境に低音を大きく、高音を小さくする処理をしています。そのため、単純に通常の音声機器に接続すると音が割れてしまうのです。

ハイパスフィルターを取り付けてみる

フォノイコライザーアンプの逆の処理のフィルターをかければ、通常の音声を再生できるはずです。抵抗とコンデンサーでハイパスフィルターを作成してみることにしました。ハイパスフィルターは、高い周波数の信号を通し、低い周波数の信号を遮断する回路です。抵抗やコンデンサーなどパーツ屋で手に入りやすい部品でも構成することができます。

「LTSpice」というアナログ電子回路シミュレーションソフトを使ってシミュレーションしたところ、0.1μF、1kΩの組み合わせで大体1500Hz付近よりも低い周波数の信号を減衰できるフィルターが作成できることが分かりました。

ハイパスフィルターの回路とシミュレーション結果 ハイパスフィルターの回路とシミュレーション結果

今回はこのハイパスフィルターを作成して追加してみます。回路を基板に起こして部品を取り付けました。

作成した変換基板 作成した変換基板

次に基板をヘッドシェルに取り付けるための筐体を3Dプリンターで出力しました。今回、現役DJの方に不要になったヘッドシェルをご提供いただきました。B政さん、MIC.B 73PIKE SETさん、本当にありがとうございます!※2

3Dプリンターで作った筐体 3Dプリンターで作った筐体

実際に使ってみた様子です。ターンテーブルからカセットテープの音を出すことに成功しました!

今回自作した変換器は一般的なヘッドホンジャックなどに使われる3.5mmのミニジャックを使用しているので、カセットテープ機器以外の音響機器も手軽に入力ができます。改良すれば、iPhoneなどからもターンテーブルを経由して音を出すことができるので、飛び入り参加DJなどもはかどるような気がします。

そして、争いのない世の中へ

そして、争いのない世の中へ そして、争いのない世の中へ

人の世はとても複雑です。環境や見た目、宗教や主義主張などさまざまな隔たりがあります。その隔たりが悪化していくと争いや暴力に発展してしまうこともあります。

今回私がカセットテープとターンテーブルをフュージョンしたように、人類一人ひとりが隔たりをなくしていく工夫をすることで、争いのない世の中をみんなで作っていけるかもしれません。

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