Dr.片山の100均ロボット研究室
Dr.片山の100均ロボット研究室 右手っぽく握ったり開いたりするロボットハンド
こんにちは。片山均(かたやま ひとし)です。愛媛県八幡浜市にある三瀬医院で院長を務めながら、100均ロボットの研究室で低予算ロボットを夜な夜な製作しています。
ロボットを作っている人にとって、「ヒトの手の動きを再現」することはひとつの目標なのではないかと思います。私もヒトの手を作りたいと常々思っていましたが、やっと今回毛玉取り器を使って、右手のように握ったり開いたりするロボットハンドを作ることに成功しました。
ヒトの右手ロボの製作過程
材料は以下の通りです。
- 毛玉取り器(羽根は取り外す)
- 竹のお箸
- ストロー
- 厚紙
- タイルマット
- 輪ゴム
それでは、製作過程です。
まずは指の長さに合うようにお箸を切っていきます。関節で分割します。
切ったお箸を厚紙でつないで指を5本作ります。
指の骨格を描いた型紙の上で5本の指が手の形になるように接着していきます。
ストローを5mmくらいに切っていき、指の表と裏に接着します。
腱の役目を担う細く切った厚紙を、ストローに通して指先で接着します。
厚紙をすべての指の表裏に取り付けて手の完成です。
お次は手を設置するやぐらの製作に取り掛かります。まずは厚紙とタイルマットでプーリーを2個作ります。
毛玉取り器を載せる部分をお箸とストローで作っていきます。
2つのプーリーをやぐらに取り付けていきます。
グルーガンを駆使して、てこクランク機構を作ります。
腱を取り付けるために棒を接着します。
毛玉取り器と手をやぐらに取り付けます。
ヒトの右手のように握ったり開いたりするロボットハンドの完成です。
ヒトの右手ロボのポイント
この右手っぽいロボ。腱にはあらかじめ余裕を持たせておき、曲げ伸ばしの際にはそれぞれの腱を引いて手を握ったり開いたりさせています。張力がかかっていないときは指が軽く曲がった状態になるので、バネやゴムで指を伸ばしておいて曲げるときに内側に引く方法よりも、よりヒトの右手っぽさが出ていると思います。
なお、指の曲げ伸ばしにはかなり力が必要なので、プーリーをなるべく大きくして、空回りしないように輪ゴムを二重にしてかけました。
そうすることで、強い力で腱を引けるようになりましたが、てこが破損しやすくなったため、グルーガンでガチガチに補強しています。
なお、親指は他の指と違う付き方をしているので取り付けづらかったのですが、この親指のおかげでヒトの手らしさが出たような気がします。
次はじゃんけんする右手にチャレンジしようかな?
いろいろ試行錯誤しましたが、本物のヒトの右手に近い動きができたのではないかと思っております。
まだ手を握ったり開いたりするという動作しか行えませんが、今回の製作でだいたいコツをつかんだので、次はじゃんけんができるくらいのロボットハンドにチャレンジしてみたいと思います。2台作ってじゃんけん対決させるのも面白いかもしれませんね(まあ、普通にじゃんけんしたほうが簡単ですけどね)。
第8回の研究発表は以上です。次回もお楽しみに!
企画・制作:片山均
取材・文:三浦一紀