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「バラしてみたらオドろいた」家電分解ジャーニー

プログラミング初心者でもOK! Arduinoで多機能DJミキサーを1万円で自作する

以前、お手頃な価格のDSPを使ったポータブルDJミキサーを作成した記事を作成しました。

近年はArduinoなどの汎用マイコンでも基本性能が向上しており、AIや画像処理、音声認識などが可能な機種も開発されています。中でもTeensyのシリーズは性能も高く、エフェクターが簡単に作れるライブラリがあり、Arduinoの開発環境で開発できるので、私のようなプログラミング初心者でも使いやすい製品でした。Teensyシリーズの「Teensy4.0」を使って前回の記事からさらに発展させた、エフェクター搭載のDJミキサーを作ってみました。

高性能で使いやすいマイコンTeensy

プロ用のDJミキサーなどには音声入力にエコーやフィルターなどのエフェクターが搭載されているものがあります。市販されているエフェクター搭載のDJミキサーの場合は、まず音声入力をAD変換(アナログデジタル変換)し、デジタル化された音声データを内部で加工し、DA変換(デジタルアナログ変換)で再度アナログの音声出力に戻すことでエフェクトを実現しています。

市販されているエフェクター搭載のDJミキサーの例 市販されているエフェクター搭載のDJミキサーの例

この場合はリアルタイムで音を処理しているため、プロセッサーは高速な処理能力が必要です。人間の可聴周波数は20kHz~20000Hz程度なので、余裕を見てCDなどのサンプリング周波数は44.1kHzが使われています。Arduino UNOの場合、音声入力のサンプリング周波数は10kHz程度と言われており少し力不足です。

Teensy4.0は「Teensyduino」という、ほぼArduinoと同じ見た目の開発環境を使うことができ、なおかつ高速処理が必要なマイコンです。Arduino UNOの最大動作周波数は16.5MHzですが、一方Teensy4.0の最大動作周波数は600MHz以上と、単純計算でArduinoの37.5倍の処理速度を誇ります。

さらにAudio Libraryという音声信号処理に特化したライブラリもあります。Web上から無償で使えるAudio System Design Tool別売りのオーディオアダプタボードを組み合わせればディレイ、リバーブなど、エフェクターのTeensyduino用のプログラムを書き出すことができます。

Arduinoユーザーにも使いやすいTeensy Arduinoユーザーにも使いやすいTeensy

Teensy4.0にI2Sのコンバーターをつける

Teensy4.0はI2S(Inter-IC Sound)というオーディオフォーマットに対応しており、外付けのA/Dコンバーター、D/Aコンバーターを接続できます。

外付けI2Sのコンバーターにも対応 外付けI2Sのコンバーターにも対応

先ほど紹介したTeensy専用のオーディオアダプタボードでもエフェクターの作成は可能ですが、2チャンネルの音声入力に対応したDJミキサーを作りたかったので、外付けのコンバーター基板を自作してみることにしてみました。

秋月電子などで購入できるI2Sのコンバーターとしては、下記の製品があります。

PCM1808PWR 24bitADコンバーターDIP化キット
PCM5102A DIP化キット

写真のような基板を作成しました。

省スペース化のためインターフェース基板と音声処理基板に分け、ピンヘッダで接続するようにしています。

作成した基板 作成した基板

Teensy4.0はインターフェース基板の裏面に配置しています。Teensy4.0の裏面のパッドを使用する必要があったので導線をはんだ付けしています。左下の黒い部品は秋月電子で購入した透過型フォトインタラプタです。後ほど用途を説明します。

インターフェース基板裏面 インターフェース基板裏面

筐体に収めてみた

基板を板金加工や3Dプリントで作成した筐体に収めた状態です。筐体下部にDIY用のスライドレールで作った疑似スクラッチフェーダーを配置しています。3Dプリントのパーツをスライドすることにより、フォトインタラプタの赤外線を遮り、フェーダーの位置を判定する仕組みです。DJ用のフェーダーは安価な製品でも5000円程度かかりますが、自作することで1000円以下に抑えることができました。

フォトインタラプタで作った疑似スクラッチフェーダー フォトインタラプタで作った疑似スクラッチフェーダー

パネルを取り付けて電源を入れた状態です。ステレオミニジャックでA、Bの2入力とマスターアウトに加えてキューアウトの出力があります。キューアウトは中心にあるロータリーエンコーダでA、B、A&Bの切り替えることができます。一般に市販されているDJミキサーを参考に部品レイアウト考えました。

パネルを取り付けて電源を入れた状態 パネルを取り付けて電源を入れた状態
本体前面と後面 本体前面と後面

中央の液晶はモードの切り替えの確認と、Aチャンネル、Bチャンネル2種類のオーディオインジケータを表示します。モードは液晶下部のロータリーエンコーダで切り替えができます。例えばCUTではA、B、A&Bの3種類あり、疑似スクラッチフェーダーでカットする音のモード選択できます。また、エフェクトは中点付きのボリュームを使用しており、中心をエフェクトなしとして左右に振ることで効き目が強くなる仕組みです。

エフェクトの音などは下記の動画をご参照ください。

自作すればワンダフル!

Teensyで作成したDJミキサーの材料費はざっくりまとめると、
金属筐体 4000円
Teensy4.0 3500円
その他細々とした部品 5000円
で、約1万円で作ることができました。

市販されている小型のDJミキサーの中には1万円以下の製品もあるので、コストをもっと抑える工夫をしたいところです。ただ、エフェクト機能の追加やボタンなどのインターフェースは好きなようにカスタマイズができるので、自分の好みのDJミキサーを作ることが可能です。カセットテープDJのテクニックを磨きつつ、DJミキサーもブラッシュアップしていき、唯一無二の感動を届けられるDJをこれからも目指していきます。

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