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身近なモノで、あるある工作

プチプチ梱包材で日用品を作ってみよう!

私たちの身の回りにある、ごくありふれたもので工作をする「身近なもので、あるある工作」。第4回目を開催したいと思います。

この企画のレギュレーションはとってもシンプル。

  • お題の材料を使う
  • 実用的なものを作る

たったこれだけ。しかし、シンプルだからこそ難しい面も。工作テクニックはもちろん、工作頭も必要なんです。そして、今回のお題は「プチプチ」。そう、割れ物を包み込む、あの緩衝材。一度つぶし始めたら止まらない、魅惑のプチプチを使って工作をしていただきます。

今回のメンバーはこの3人!

写真左から

江口壮哉さん(Twitter @eguchisoya)
3Dプリンターが大好きな大学生。工業高校からデザインの大学に進み“ファブエンジニア”として、新たなデザインを生み出すデジタルファブリケーション機材を開発している。3Dプリンターの可能性を信じて毎日のようにキャリブレーションをしているので、一向に研究が進まない。

武井めぐみさん
ハンドメイドとデジタルファブリケーションの境目で、「無いなら作る」を基本姿勢に活動しているデザイナー。個人的にハンドメイドプロダクトを製作するほか、デザイン学校で「手で作り考えることの、楽しさと大切さ」を教える教員もしています。

ひとしんしさん
世の中を台無しにするようなアイデアとクリエーションを創出するひと。会社員をしながらinspireをnextしつづけている。

プチプチからプチプチが……? なコースター

トップバッターはひとしんしさんです。何やらプチプチに包まれたものが登場しました。何だろう……?

開いてみましょう。オープン!

プチプチのなかにプチプチが? これはいったい……。

「アクリル製のコースターです。プチプチをモデリングして作りました」

コースターとな! アクリルがきれいです。本物のプチプチと違って、硬い。そりゃそうですよね。アクリルですから。

コーヒーを載せてみました。立派なコースターです。

「最初、プチプチをスキャンしようと思ったのですが、スキャンはせずに寸法を測ってモデリングしました。プチプチのへこみもデータとして作りました」

見た目より手が込んでますね。では、製作風景を見てみましょう。

「プチプチのデータはRhinocerosGrasshopperで作成しています」

「次にFusion 360のCAM機能を使って、パスを生成。プチプチのへこみはランダムで生成しています」

そのデータを元に、CNCで5mmのアクリル板を切削。なるべくきれいに削りたかったので、10時間ほどかけて少しずつ削ったとのことです。時間かかってますね。

完成です。透明度が高いですね。

「削った後は、軽くトップコートを吹いています。すりガラスをぬらして固めるようなイメージで、なるべく凹凸をなくして透明度が上がるようにしています。アクリル製ですが、ほんもののプチプチに見えるようにこだわりました」

これ、美術館とかで売ってたら思わず買ってしまいそう。プチプチを素材としてではなく、デザインとして使った工作でした。

プチプチを重ねて作ったランプシェード

お次は武井さんです。何やら光っていますね。

電気を消してみましょう。

おお、きれい!

「ランプシェードです。プチプチをアイロンで加熱すると溶けるという性質を使って、何枚か重ねたらどうなるだろうと思ってやってみました」

プチプチを6枚重ねてアイロンがけをした状態です。ちょっと硬くなって、革というか和紙というか、そんな質感になります。

「このランプシェード自体は複雑なことはしていません。同じ形に切り出して組み立てて立体を作っています」

ランプには、クリスマスのオーナメントに利用するLEDランプを使用。単三形乾電池3本で光ります。なかなかかわいらしくて実用的な一品。制作過程を見てみましょう。

使用したのは100円ショップで売っている梱包材。これを重ねてアイロンがけしたわけです。

「クッキングシートにプチプチを挟んで作業します。ポリエチレンはおよそ100℃で溶けるので、家庭用のアイロンでも余裕で溶けます」

アイロンの設定を中〜高くらいの温度にして試してみましょう。低温だとはがれてしまうそうです。

明るいところで光にかざしてみると、目隠しシートのような感じに。

「ポリエチレンは直接印刷もレーザーカットもできないので、テンプレートを手描きで転写してから、ハサミで切りました。とはいえそんなに硬くないので、手作業でも紙と同じ要領で簡単に切れます」

切り出したものを組み立てて、LEDランプを仕込んだら完成。これはインテリアとしてなかなかいいですね。形を変えれば、和風な雰囲気も出せそうです。

終わったらつぶす! 履いたら温かい!

最後は江口さん。3種類あるようです。

「プチプチはつぶしたくなるじゃないですか。その衝動を生かすために、カレンダーとToDoリストを作りました。1日を終えたときやToDoをクリアしたらつぶす、という感じです」

ToDoリストです。ここにやるべきことを書いておき、やり終えたらプチプチをつぶすわけですね。

カレンダーも同様。今日の日付のところを寝るときにつぶすようにすれば、ちょっと楽しいかも。

カレンダーとToDoリストはスチレンボード製。ここにプチプチを必要な分だけ貼っています。色付きのプチプチにすれば、カラフルで視認性もアップしそうです。

もう一品はスリッパです。

「もっとプチプチを盛大につぶしたいなという欲望が生まれてきたので、プチプチを踏んだら気持ちよいのではと思い、スリッパを作ってみました」

プチプチを踏んでつぶす快感から生まれたスリッパ。その上、保温効果もあるのだとか。

「使い始めは足先が温かいスリッパとして使えますが、使っていくうちにどんどんプチプチがつぶれてくるので、使い捨てに近いですね。大学の研究室で履くスリッパがなかったので、ちょうどいいかなと思います。ストレス解消にもなりますし」

「足の甲の部分は自分の足に合わせてプチプチを切って、はんだごてで溶かして、やわらかくなったときにつぶして溶着しています」

プチプチのスリッパってなんか斬新。それでは制作過程です。

カレンダーとToDoリストは、プチプチをカットして貼り付けただけのシンプル工作です。

スリッパの制作過程です。

「足に合わせてカットしたスチレンボードにプチプチを合わせて、はんだごてでカットしつつ溶着していきます」

ちなみに重要なのは換気とのこと。

「臭いがすごかったので、十分に換気しながら作業しました」

換気、忘れずに!

次回は紙袋であるある工作!

ということで、プチプチがいろいろなものに生まれ変わった今回のあるある工作、いかがでしたでしょうか? 見慣れたプチプチも、ちょっと手を加えるとおもしろいものに生まれ変わりますね。みなさんも、参考にして工作をしてみてください。

さて、次回のテーマは「家にたまっている紙袋」です。買い物をするともらえる紙袋。何かに使えるかと思って保存している人も多いのでは? でも、そんなに使わないから溜まっていく一方なんですよね。

この紙袋を使って、役立つものを作ってみましょう。それでは次回!

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