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頭の悪いメカ by 藤原麻里菜

指紋センサーとArduinoを使って宅配ピザの箱を近未来にした

こんにちは、無駄なものを作っている藤原麻里菜です。
指紋センサーを手に入れました。この指紋センサーはArduinoで扱えて、簡単に指紋認証を使ったデバイスを作ることができそうなのです。

Arduinoで指紋認証デバイス作れる! やったあ! すごい! なんかすごいぞ! と思って購入したものの(そこそこ高い)、冷静に考えてみると、指紋認証させたいものなんてないなあって……。わたしの指紋認証欲が限りなく低いことに気づいてしまったのです。

実家の自室のドアとか見られたくない日記とか、今思い返すと確かに指紋認証があったらいいなと思うものは多いのですが、なぜか指紋センサーを手に入れたときはそんなことが1ミリも思い浮かびませんでした。

そのとき、わたしは空前の宅配ピザブームでした。宅配ピザを夜中に頼むことを「めちゃくちゃする」と言うようになり、「今日、めちゃくちゃしちゃうか……」「頑張ったし、めちゃくちゃになっちゃおうか」と言いながらピザを頼む日々を過ごしておりました。

宅配ピザって、誰かとシェアする想定がされてそうだけれど、すべてのものがそうなように、1人で楽しむに越したことはないと思うのです。

そこで、指紋センサーです。ピザを完全に私だけのものにする。指紋センサーを使って、そんなデバイスを作ろうと思います。

指紋センサーを使おう

ピザのことはとりあえず置いておいて、まずは指紋センサーとArduinoをつなげてみましょう。
こちらのサイトを参考にライブラリをダウンロードしました。

ライブラリにあるサンプルコード<enroll>から、指紋を登録します。シリアルモニターを開いて行うのですが、なぜかセンサーが見つからないトラブルがありました。

いろいろ調べたところ特に解決策が見つからず、何回かプログラムを書き込みし直したりUSBを抜き差ししたりすると認証されました。ファミコンみたいだね。

指紋を登録したら、LEDをつないで、登録された指紋だとLEDが光る回路を作ります。こちらのサイトを参考にしました。
このコードにサーボモーターの回転とLEDテープライトの点灯を加えます。

指紋認証されると

サーボモーターが動いてLEDが光る!

外側を作る

なんかそれっぽい彫刻を施したアクリル板にLEDテープを平行に接着し、それをさらにピザの箱にグルーガンを使ってくっつけました。

指紋認証されたら自動的にピザの箱が開くようにしたいので、サーボモーターをこのようにくっつけます。

心の中で「不衛生〜」「なんかやだ〜」と叫ぶ声が聞こえるのですが、こうするほかないので自分を許します。そして、指紋センサーは良い感じの場所に接着しました。

完成!

完成しました。指紋センサー付きピザの箱です。

Arduinoの格納の仕方が分からなかったので、配線がめちゃめちゃです。ピザから養分を吸い取る機械みたいでかわいいね。

使ってみましょう

既にちょっとだけ箱が開いていますが、これはサーボモーターのサイズが合ってないからです。
では、この指紋センサーに登録した指(右手の人差し指)を認証させてみましょう。

指紋が認証されると……。

LEDがそれっぽく光ります。

めちゃめちゃそれっぽくて、いろんな角度から撮っちゃった。

透明のアクリルにレーザーカッターを使って彫刻加工をして、下からLEDテープで光らせることで、それっぽさを作ることができるのです。みなさんもそれっぽいものを作りたいときは参考にしてみてください。

LEDが光ると、

サーボモーターが

絶妙な速度で

ピザの箱を開けてくれます。

宅配ピザの箱を指紋認証で開くことができました。やったあ!
だからなんだ? という疑問はさておき、近未来でかっこいいぜ。

ここでわたしはある仮説に気づいてしまいました。指紋センサーと緑色のLEDを使えば、全てのものに近未来感を与えることができるんじゃないかと……。これは人類の今後を左右する大きな発見かもしれませんし、そうじゃないかもしれないですね。たぶん後者だけど。

おわりに

今回は指紋センサーを使って「指紋認証で開く宅配ピザの箱」を作り、ピザを俺だけのものにしてみました。指紋センサーは意外にも簡単に扱えたので、ぜひぜひ挑戦してみてください。

食べ終わった後の残骸を見て、指紋センサーの使い道はこれで合っていたのかという強い疑念に締め付けられましたので、わたしは、まっとうな使い道を探す旅に出ます。

お知らせ

この度、無駄づくりという自分の活動を通して培ってきた発想法をまとめた本「考える術」を出版させていただきました。頭を柔らかくして、想像力を広げることをベースにまとめています。ビジネスから趣味のいろいろまで、汎用性抜群の一冊になっているので、ぜひ手に取っていただけるとうれしいです。
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