fabcross Meetingレポート
【fabcross Meeting】私たちにとって、本当に必要なファブ施設とは
2015年11月18日、fabcrossが主催するイベント「fabcross meeting 02」が開催された。fabcross meetingの開催は今回で2回目となるが、1回目(2014年3月23日)の開催から1年半が経過した今、ものづくりの環境はどのように変わってきたのか。個性的な施設を展開する運営者自らがファブ施設の現状や運営の苦労などを紹介し、企業内ファブ施設を継続させるポイントや、ファブ施設から生まれる新しいビジネスなどについて語られた。
2つの傾向が見られる日本のファブ施設
イベントは3部構成となっていて、最初のセッションはfabcross編集部による、日本全国に広がるファブ施設の独自調査「日本のファブ施設調査」の発表。最近は都市部で大手資本による巨大なものづくり施設ができる一方、地方では地元企業や地場の人達が独自に個性的なファブ施設を立ち上げる傾向が見られた。また、企業や学校の中にファブ施設を立ち上げる事例も少しずつ増えている。
話題を呼んだ個性的なファブ施設が登場
次のセッションでは、ファブ施設を運営している3人のゲストが、それぞれの施設の特徴や現状について紹介を行った。
リコーが持つ技術のショウルームとして役立ちたい——つくる~む新横
リコーの井内育生さんが運営する「つくる~む新横」は、リコーが社内に作ったファブ施設。fabcrossでは2015年3月に取材を行い、立ち上げまでの経緯や目的などを紹介しているが、「この記事によって、当初は社内ファブ施設の存在について懐疑的だった人達も、2割くらいは考え方を変えて応援してくれるようになりました」と井内さん。ショウルームのような感じで、まだ用途が見えない技術を面白く見せて、社内外にアピールする場にもしていきたいという。また、ここで作るものは、仕事に関係するものでなくてもOK。
「レーザーカッターを使って子どものおもちゃを作った人が、次に来たときには結構すごいものを作ったりしました。今は入り口を狭めない方がいいかなと思っています」(井内さん)