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ZMP谷口社長に聞く

「クルマの価値を変えるレボリューションを起こす」

5.自動車の価値観を根底から変える3つの戦略

車載CAN情報公開の研究開発用小型EV「RoboCar MV2」

——ZMPでは自動運転というゴールに至るための、3つの戦略を立てられているそうですね。

1年半ほど前に、3つの戦略を決めました。

その1:全てのクルマをインターネットに繋ぐ
その2:インターネットに繋いだらビッグデータ処理によってドライバーとクルマの状況を見える化する
その3の1:ITによるドライバーの運転支援、エコ運転支援、エンターテインメントを提供する
その3の2:自動運転技術を投入し、運転支援、安全運転、エコ運転を実現する

これはまさにクルマの価値を変えてしまう話です。自動車メーカーの方をはじめ一般の方が理解しづらいのはここです。「自動運転は必要ですか?」と聞くと「必要ない」という方や、「規制が多いから不可能だ」という方が多いのです。自動車メーカーには、自動運転は運転を楽しむことの正反対なのではという恐れや、クルマをインターネットにつないでデジタル化するとスマートフォンや家電のように、GoogleやFacebookなどに主導権を奪われるのではないかという恐れがあって、自動運転を避ける風潮があります。

しかしそれはクルマを既存の価値観で見ているからです。それに「自動運転は難しいだろう」と言っている人たちの多くは最新の自動運転技術を知りません。セミオートくらいならもうできますし、完全自動運転も技術的にはだいぶそろってきていて、実用化ベースでもセミオートなら5年以内、完全自動運転も10年以内には絶対にできます。自動車業界で最先端の技術を見ている人たちなら当然知っていることですが、誰も行動に移しにくいんです。

自動車業界は大きく、関わる人が非常に多いのでクルマが低価格化して家電ぽくなったらクルマのディーラーはどうなるんだとか、デジタル化して部品が減ったら何十社もの部品メーカーの仕事がなくなるかもと考えて、自動化から目を背けたいのでしょう。

僕は自動化は新しい人たちのチャンスだと考えています。日本は世界で一番チャンスに恵まれているんです。大きな自動車メーカーが多くありますし、部品メーカーも技術をたくさん持っている。それを将来のクルマに備えて一度作りかえれば、日本発で自動化ができると思うんです。

だから僕は自分たちの戦略を変えました。まずはイノベーションを起こします。次に日本中・世界中のクルマをインターネットにつなげてクルマの価値を変えるレボリューションを起こします。これはもうZMPの事業計画に入っています。日本のすぐそばには、既に行動を起こしているプレイヤーがいます。僕はイノベーション戦略とレボリューション戦略を会社の主軸に据えて、自分たちの力でやります。先日も社員全員に話したのですが、一気に勝負をかけていきます。「自動車を、自動車の価値観を、根底から変えよう」と。

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