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宇田道信インタビュー

理想の楽器を目指す——唯一無二のオリジナル楽器「ウダー」開発記

筐体と音源部の進化

一方、現在開発に力を注いでいるのが、モジュラケーブルで接続された音源部。当初はウダー本体の開発に重点が置かれ、低価格な電子キーボードを改造して音源に使用していたが、ほどなくして既製品のMIDI音源を接続するようになった。

「当時ジャズ研究会にいて、開発中のウダーで他の楽器とセッションしてました。でもその度、ウダー本体、MIDI音源、スピーカーなどを接続するのは大変だったんです」 

左から「ウダーモバイルLite」「ウダーモバイルMini」「ウダーモバイルVanguard」 左から「ウダーモバイルLite」「ウダーモバイルMini」「ウダーモバイルVanguard」

そこで、それらを一体化しバッテリ駆動化した「ウダーモバイル」を開発。ポータブル冷蔵庫を改造した「ウダーモバイルLite」は、MIDI音源やウダー本体を収納でき、演奏時に腰掛けられるストリート・パフォーマンス仕様。さまざまなイベントやテレビ番組などでここに腰掛けてウダーを弾く宇田さんの姿が紹介された。

「でも、仕方なくMIDI音源を使っていただけで、ずっと専用の音源で鳴らしたいと思ってたんです」

より可搬性を重視した「ウダーモバイルMini」「ウダーモバイルVanguard」からは宇田さん自作のウダー専用音源が搭載された。また、データ通信プロトコルもMIDIに代わりウダー独自仕様となり、ウダー本体と音源間の通信速度が上がって操作レスポンスが向上した。 

ウダーならではの音色を目指して

左から「ウダーモバイルKiri3」「ウダーモバイルKiri4」「ウダーモバイルKiri5」 左から「ウダーモバイルKiri3」「ウダーモバイルKiri4」「ウダーモバイルKiri5」

筐体と音源はさらに進化を重ね、最新の「ウダーモバイルKiri」では、柔らかい音の響きと軽さと強度とを併せ持った素材として、日本古来の家具に使われる桐を使用。同時に、サイン波とノイズを音源とする独自のソフトウェアシンセサイザを開発。その試行錯誤は現在も続けられている。この音源が完成し「ウダーならではの音色」が実現した時こそが、真の「オリジナル楽器」の完成ということになるだろう。

和服姿がキマッている宇田さん 和服姿がキマッている宇田さん

和服に身を包んだ風貌、マイペースな語り口など、飄々とした雰囲気を漂わせる宇田さん。だが、ウダー開発の道のりを見てみると、その発想力、チャレンジ精神、知識やスキルの蓄積と試行錯誤を繰り返してきた根気強さに、内に秘める強烈な情熱を感じることができる。そして今その情熱は、自分の理想のためだけでなく、多くの人に楽しんでもらえる製品作りに向けられつつある。

次回はその最新の成果となる、学研「大人の科学マガジン」とのコラボレーションについてのお話を伺ってみよう。 

後編に続く

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