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九州工業大学 e-carインタビュー

飲み会サークルからラリー優勝チームへ——九工大「e-car」の軌跡

ガソリン車を電気自動車にコンバートするにあたって、最初のステップはエンジンを取り外し、電気自動車のモーターを搭載する事だ。

最大のボトルネックは福工大で見た電気自動車と、譲り受けたトレノの駆動方式が違っていたことだった。福工大の電気自動車はFF(前輪駆動)、一方トレノ86はFR(後輪駆動)で構成部品や構造も大きく異なる。

「FF車で、ギアボックスがボディに固定された場合制約条件なくモーターに入れ替えれば、車輪を駆動させられますが、FR車の場合はエンジンを外すと、ギアボックスが後方の車輪を駆動するプロペラシャフトに繋がるだけでボディに固定されていません。単純に言えば、FR車の場合モーターの固定はギアボックスとボディの間に入る制約条件がありますので、非常に難しかった。最初にコンバートされたFF車を見て『これはできそうだな』という自信がありましたが、FR車でやってみるうちに『あれ、思ってたのと何か違うぞ』と(笑)」(パナートさん)

そこからは主にネットで解決方法を探し、既にコンバート車を作っている人たちによる海外のブログなどを参考に試行錯誤を重ねる日々が続いた。 

「当時は毎日活動していたわけではなく、気が向いたら集まってやろうという感じで、エンジンを外すことすらままならず、入れ替えるだけで1年かかりました。時間がかかり過ぎたことでメンバーのモチベーションは上がるどころか下がってしまい、活動がさらに停滞した時期もありました。今となっては反省すべき点がたくさんありましたが、当時は全て手探りだったので、そういった大変さもありました」(パナートさん)

それでも、なんとかエンジンとモーターの入れ替えに成功。

「必要な機構の模型を作って形状を確認して、問題ないとわかったら、設計図を学生が描いて業者の方に加工依頼を出したり、EV車用のモーターを海外から輸入して2年目でようやくなんとか学内を走れる程度にまで持っていくことができました」(パナートさん) 

むき出しの状態から車検に通すまで

ようやく校内を走れるようになった電気自動車を見た学生が少しずつe-carに参加するようになる。

「僕はもともと電子工作のサークルに入っていて、e-carに携わっていた友達に見せてもらったのがきっかけです。その当時は全然きれいじゃなくて、バッテリもモーターもむき出し。エンジンルームも開けっ放しの状態でした。でも、すごいと思いましたね。こんな状態でも走るんだという」(岩崎さん)

当時はバッテリの位置も今と違い、重量バランスもでたらめな状態。よく見ると車体が後ろに傾いている状態だった。

「バッテリの位置を前に移動して、しっかり固定するための台を作ったり、配線も高電圧がかかって感電する危険があったので、保護チューブで覆うような対策をしたりしました」(岩崎さん) 

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