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Omotenasy 今村泰彦/西村拓紀インタビュー

音の体験は没入感から臨場感へ、フルオープンエアーの新世代ヘッドフォン「VIE SHAIR」の革新

ワークバランスは個人の裁量で、最高のアウトプットを出す

3D CAD「Rhinoceros」とプラグイン「Grasshopper 3D」を使い何度もデザインを修正。Stratasysの協力のもと、3Dプリントでビスも付けられるレベルの試作品を作ってもらった。 3D CAD「Rhinoceros」とプラグイン「Grasshopper 3D」を使い何度もデザインを修正。Stratasysの協力のもと、3Dプリントでビスも付けられるレベルの試作品を作ってもらった。

コンセプトからプロトタイプができるまで9カ月間。理想のスピード感で進んだが、進捗管理をあえてしなかった。仕事の管理は個人の裁量に任され、生活の中でVIE SHAIRにどのくらい時間を使うのか、ワークライフバランスは自由に決めて良いという考えだ。

「もちろん、目的は決まっているので、それぞれの成果物がどのタイミングで必要になるかは明確です。そのタイミングに合わせてみんなしっかり動いています」と西村氏は語る。今村氏は、「僕は心配症なんですよ」と話す。心配症だからこそ、進捗は聞かないようにしているし、プロをコントロールしようとすると邪魔になるだけ。それぞれのリズムを邪魔しても失礼になるから管理はしない。

「かっこよく言えば、状況は日々変わってゆく。世の中がこんなに速いスピードで変わっているのに、長期的なプランニングは、するだけ無駄だと思います」と話す。その代わり、スピードには徹底してこだわる。成果物が出るタイミングは、常にお互いに話し合って調整しているという。 

当初のプロダクトデザインは、ヘッドフォンではなく、イヤフォンと音楽がシェアできるBOX型デバイスをスマートフォンに接続して手で持ち歩くタイプだった。 当初のプロダクトデザインは、ヘッドフォンではなく、イヤフォンと音楽がシェアできるBOX型デバイスをスマートフォンに接続して手で持ち歩くタイプだった。

当初、今村氏が西村氏にプロダクトデザインの相談に来た時、コンセプトだけでデザインもソフトウェアも一切できていなかった。スマートフォンに接続するBOX型のデバイスで、現在のヘッドフォン型のデザインですらなかった。イヤフォン型だと会話が聞こえない。会話ができないと、コミュニケーションができない。「本当にこれが実現したいことなのか、もう一度コンセプトから見直しませんか?」という西村氏の提案で、コンセプトを一から見直した。

デザイン性だけでなく、この道具は何を達成してくれるのか、何度も二人で話し合った。今村氏が実現したかったのは、音楽を楽しみながら音をシェアしてクラブイベントのような体験ができるもの。音が出せる環境が減ってきているが、静かなところでも、クラブのような体験を演出したい。そこから行き着いたのが、今のサイレントディスコでの使い道だった。 

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