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Omotenasy 今村泰彦/西村拓紀インタビュー

音の体験は没入感から臨場感へ、フルオープンエアーの新世代ヘッドフォン「VIE SHAIR」の革新

100均ショップのアイテムや粘土、3Dプリンタを使って高速モックアップ開発

実証実験は、100均ショップのアイテムを使った。コンセプトのイメージ合わせてアイテムを数百円分購入し、パーツを切り貼りして、そこにBluetoothやスピーカーモジュールを組み合わせていく。 実証実験は、100均ショップのアイテムを使った。コンセプトのイメージ合わせてアイテムを数百円分購入し、パーツを切り貼りして、そこにBluetoothやスピーカーモジュールを組み合わせていく。

これまでのヘッドフォンのデザインでは、周囲と会話ができなかった。好きな音を聴きながら、コミュニケーションも取れるようにしたい。ヘッドフォンやイヤフォンではなく、会話ができるパーソナルなスピーカーが必要だと二人は話し合った。
試行錯誤するうちに、どんどんスピーカーが人の耳元に近づく設計に変わっていった。ヘッドフォンのデザインだけど、ヘッドフォンじゃない。耳元にスピーカーを置くイメージで考えたときに、VIE SHAIR独自のエアーフレームが生まれたという。

3Dプリンタや100均ショップのパーツ、粘土を使って、デザインを高速に決めていく。
基板が設計に納まるのか、実際に何度もモックアップを付けて走り、高速にPDCAサイクルを回していく。デザインを何度も改善していくうちに、少しずつ前の方にヘッドフォンも傾いていった。スピーカーが耳に近づくと音が良く聴こえるのだという。「1mm前方斜めに傾けるだけで、音がぜんぜん違う」と今村氏は話す。傾けることで、ヘッドフォンは前方から小さく見えるようになった。ランニング時の風切音もしなくなった。あとは、頭蓋骨の3Dモデルをベースに、独自のエアーフレームが耳のまわりに側圧をかけないように、分散するように設計を工夫していった。 

既存品のコーンスピーカーユニットを使っているヘッドフォンと異なり、平板スピーカーというユニットを使っている。音の立ち上がりが速く、中低域がクリアで音がとてもバランス良く聴こえる。 既存品のコーンスピーカーユニットを使っているヘッドフォンと異なり、平板スピーカーというユニットを使っている。音の立ち上がりが速く、中低域がクリアで音がとてもバランス良く聴こえる。

「音が漏れやすいのではないかと言われることが多いですよ」と今村氏は話す。確かに、耳から離れたヘッドフォンのスピーカーは音漏れしそうに見える。しかし、VIE SHAIRは平板スピーカーを採用しているため、特定のエリアへの指向性が高く、音が漏れ難くなっている。オープンエアーの独自エアーフレーム構造は、耳のまわりに汗をかきにくく、装着時のストレスが少ない。高音質のサウンドを音漏れ気にせずに楽しみながら、会話も楽しむことができる。

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