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BLINCAM 高瀬昇太インタビュー

愛娘との時間がサラリーマンをスタートアップに変えた——BLINCAM開発秘話

眼鏡に装着してウインクで撮影できるカメラ「BLINCAM」。クラウドファンディングで1000万円超の支援を集め、海外からも問い合わせが絶えないという今注目のハードウェアスタートアップだ。「カメラに収められない、99%の時間を記録したい」というシンプルな欲求から生まれた製品は、どのようにして誕生したのか。(撮影:加藤甫)

BLINCAMはハイビジョンカメラを搭載したデバイスで重さは25g、眼鏡のフレームに取り付け、意識的に強くしたウインクまたは両目のまばたきだけに反応する独自のセンサを備えている。

開発したのは東京のハードウェアスタートアップ「株式会社BLINCAM」、CEOの高瀬昇太さんはGoogle Glassが失敗に終わったからこそ、眼鏡型デバイスにスタートアップが参入できる余地が生まれたと語る。

「誰もが知っているGoogleが撤退し大手企業は参入しづらくなったことで、スタートアップはGoogle Glassが直面した課題を回避しながら、製品をマス向けではなく、アウトドアや家族との時間に使うといった小さなシーンから攻めていく戦い方ができるようになりました」

ここまで話を聞いていくと、戦略的に計画を進めながらここぞというタイミングで発表したようにも思えるが、高瀬さんから語られたのは、家族との時間という極めてパーソナルなきっかけと、自身のコンプレックスとの戦いという意外な経緯だった。

ゲームだけやっていたかった少年時代

現在開発中のBLINCAM、重さは25g、ポケットに収まるサイズでWi-Fiを通じてスマートフォンにデータを転送する 現在開発中のBLINCAM、重さは25g、ポケットに収まるサイズでWi-Fiを通じてスマートフォンにデータを転送する

「子どものころはずっとゲームしてました。シャイで人前には出たくない、学生のころはバイトしてドラクエしてという感じで。ただ、好奇心だけはあって、人前に立つ恐怖心を克服したいという気持ちはずっとあったんですね。自分からは進んで前に出ないけど、頼まれたから体育祭で応援団長をやってみたり(笑)。システムエンジニア(SE)として社会人になってからも、仕事柄、人前に出る事なんてほとんどないので、朝活や異業種交流会に出てみたりして、地道に場数を踏んで人脈を広げたりしていました」

SEとして入社したSIerで経営や事業開発に関心を持った高瀬さんは、働きながら社会人大学院に通いMBA(経営学修士)を取得。その後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに転職。事業会社のシステム部門でキャリアを積み、ゆくゆくは管理職を目指していた高瀬さんは、当時起業する事は「全く考えていなかった」という。

そんな高瀬さんがスタートアップの世界に初めて触れたのは、起業家支援コミュニティ「Startup Weekend」を、社会人大学院在学中に同級生から紹介されたのがきっかけだった。

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