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MUDSNAIL 藤本有輝インタビュー

シューズからクルマまで——3Dテクノロジーでコンセプトを形にするMUDSNAIL藤本有輝とは

リボンをモデリングできるソフトって?

画像提供:MUDSNAIL 画像提供:MUDSNAIL

藤本 神田さんとお話ししたときに「リボンのプラモデルを作りたいんだ」って言われて、よく考えたらプラモデルなんて嵌合(かんごう)の精度が半端じゃないですか。なのに「分かりました」と言って。当時はCADとCNCがあれば何でもできると思っていたんですよ。
ところが星君が「リボンの有機的な曲線をCADで表現するのは無理だ」というので、そういうことができるソフトは何だと探したらFreeFormという3D作成ツールがいいということがわかった。それで「あ、すごく高いなあ~」と思いながらも触りに行ってみたら、すごく良かったんですね。で、これはもう買うしかないと思って事業投資をしてFreeFormを手に入れて、何とかデータを作り上げたんです。嵌合する部分のデータをCADで作り、表面の表情をFreeFormで作るというコンビネーションが生まれたのはその時でした。

FreeFormは藤本さんの担当。(手にしているのはFreeFormのペン型3次元マウス)FreeFormは画面上のモデルに触れているかのように、感覚的にモデリングデータを制作できる。制作したデータは3DプリンタやCNCによる出力が可能だ。ページ上のリボンの画像は、RhinocerosとFreeFormで制作した3Dモデルデータをもとに作成したもの。 FreeFormは藤本さんの担当。(手にしているのはFreeFormのペン型3次元マウス)FreeFormは画面上のモデルに触れているかのように、感覚的にモデリングデータを制作できる。制作したデータは3DプリンタやCNCによる出力が可能だ。ページ上のリボンの画像は、RhinocerosとFreeFormで制作した3Dモデルデータをもとに作成したもの。

ところが、そこでまた次の壁にぶつかる。繊細で有機的な曲線を有する3Dデータをサンプル出力する方法が無かったのだ。

藤本 当初はCNCで試作しようと思っていたんですけど、まあ無理で。そこで初めて3Dプリンタが出てきたんですよ。当時は造形機という呼び方が主流だったんですけど。それで、初めて外注して3Dプリンタでサンプルを作ってもらいました。結局その試作はあまりうまくいかなくてご迷惑をかけてしまったんですけど、その時にわかったことは「3Dプリンタはすごい」ということでした。

それから金型職人と徹夜を重ね、プラモデル「りぼんの戦士」が完成。2009年の秋に発売された。

keisuke kanda「りぼんの戦士」(写真提供:keisuke kanda) keisuke kanda「りぼんの戦士」(写真提供:keisuke kanda)
写真提供:keisuke kanda 写真提供:keisuke kanda

藤本 この時の仕事は、すごくいい経験になりました。神田さんには今でも感謝しています。

3Dプリンタによる初作品

ノコギリ1本から活動を始め、発足して数年の間にCNCとRhinoceros、FreeFormがそろった。それからまもなく、藤本さんはABS樹脂による溶融積層3Dプリンタ「Dimension」に投資をする。だがそのプリンタが稼働するのはそれからさらに1年以上後になってからのこと。ANREALAGEの森永さんからある日突然相談があり、2010年秋冬コレクションの展示会のためのマネキンを手がけることになったのだ。

かくして完成したマネキンは、およそ理想的なプロポーションとはかけ離れた風変わりなものだった。一方は縦に伸び、もう一方は上からつぶされたように伸びている。そのオブジェのようなものが、ANREALAGEとMUDSNAILによる初めてのコラボレーション作品だった。

ANREALAGE 2010 A/W COLLECTION「WIDESHORTSLIMLONG」展示会(写真提供:ANREALAGE) ANREALAGE 2010 A/W COLLECTION「WIDESHORTSLIMLONG」展示会(写真提供:ANREALAGE)

このマネキンを配した展示会「WIDESHORTSLIMLONG」は大成功を収め、その後マネキンは東京オペラシティ アートギャラリーで開催された展覧会「感じる服 考える服:東京ファッション」(2011)にも展示。さらに2014年、パリのセレクトショップ「L'ECLAIREUR(レクレルール)」で開催された展覧会「A REAL UN REAL AGE」にも展示され、最終的にはL'ECLAIREURに買いとられた。

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