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リアルの熱気も帰ってきた Maker Faire Tokyo 2022 開催中 #MFTokyo2022

オライリー・ジャパンが主催する国内最大級のMakerイベント「Maker Faire Tokyo 2022」が、2022年9月3日と9月4日にわたって、東京ビッグサイト西4ホールにて開催中だ。新型コロナウイルスの影響でオンサイト展示が中止となった2021年を経て、2年ぶりとなるリアル会場の様子をお届けする。

取材チームが訪れたのは初日の開場直後の12:30ごろ。入口にはイベントを心待ちにしていたMaker Faireファンが列をつくり、スタッフの案内に従ってゆっくりと会場に入って行った。

DIYパワードスーツプロジェクト(B01-02)

入口からほど近いモビリティゾーンでは、Nii@iroiromake氏による自作の装着型パワードスーツがお出迎え。エアシリンダと調圧バルブを巧みに操り、歩行時や荷物運搬の負担を軽減するという。大きなエアーコンプレッサーを背負って軽快に歩く姿には、来場者から大きな拍手が送られた。 

音楽で機械がうごく! ねこびっとMIDI遊園地(C01-11)

にぎやかな音楽が鳴り響くのは、自作楽器で溢れるミュージックゾーン。Makerユニットnecobit(ねこびっと)は、音楽用のMIDI信号を各種アクチュエーターの命令に変換する技法を開発。卓上ではロープウェイや観覧車などの装置が16チャンネル以上の音源とシンクロし、リズムに合わせて軽快に動き回っていた。 

電卓演奏ロボット「A-HOGE」(E05-02)

若きMakerたちが集まるYoung Maker ゾーンには、エネルギッシュな個性が詰め込まれた作品が並ぶ。GOTO STATEMENT氏による電卓演奏ロボット「A-HOGE」は、キーを押すと音が鳴る市販の電卓を4つ並べて自動演奏する装置。モーターとソレノイドを駆使した華麗な演奏はもちろん、音に個体差のある電卓をひたすら買い集めたというエピソードも。

安い、早い、巧い! 100均ロボット(D02-12)

fabcross で「Dr.片山の100均ロボット研究室」を連載中の片山均氏は、デザイン&クラフトゾーンに出展。すべて100円ショップで集められた素材だが、間近で見ると機構の丁寧さに驚かされる。デジタルツールを使わず、低予算で作り上げられたロボットたちに注目してほしい。

自宅でMRIを自作する(G02-02)

名前のインパクトが絶大な「自宅でMRIを自作する」。作者の八代氏は、大学の授業でMRI装置の原理を聞き「自分で作らなきゃ!」と直感したという。装置の仕組みを学び、筐体を設計し、自分でコイルを巻き、ときにはTwitterで研究者たちの助けを得ながら開発。着想から8年をかけ、ついにMRI画像が撮影できる装置の完成にこぎつけた。 

自宅で粒子加速器を自作する(G02-03)

自作MRI装置の隣のブースには、これまた自作の電子加速器と粒子加速器が並ぶ。 サイエンスゾーンには研究機関で扱うような装置さえ作ってしまう、破天荒でチャレンジ精神旺盛なMakerが集まる。海外のオークションサイトなどを活用して部品を集め、自宅の空間を圧迫しながら夢を追いかけ続ける姿は必見だ。

板金屋が搭乗型多足歩行ロボットを造ってみた。(H02-01)

ロボティクスゾーンには、大小さまざまなロボットがズラリ。ひときわ目を引く鋼鉄の塊は、佐藤製作所による「搭乗型多足歩行ロボット」。本業である板金加工技術をふんだんに活用した歩行ロボットはまだまだ進化の途中だというが、ガシガシと力強く動く足は一見の価値ありだ。 

てのりろぼ 〜小さなものづくり〜(H04-09)

対照的に、こちらはコンパクトな手乗りサイズの多脚ロボ。Ibuki Ikegami 氏による「てのりろぼ」シリーズは、一辺を12cm程度に収めるように作られている。キュートな見た目だが、このサイズを実現する技術力の高さも光る。将来はロボットだらけの運動会をやってみたいとのこと。

2020-2022年の作品集(H04-01)

fabcrossの工作記事でお馴染みの小林竜太氏は、ここ数年で作った作品をズラリと展示。オープンソース化を目指して開発中の「MakerDog」は子供に大人気で、シリアルサーボを唸らせながら机や床を元気に跳ね回っていた

無限バンクシー(I04-02)

SNSを沸かせた作品も集まるエレクトロニクスゾーン。ゆうもや氏の「無限バンクシー」はアート界を騒然とさせた瞬間を再現し、さらに無限に楽しめるようにした怪作。機構はシンプルそのものだが、あまりにも鮮やかな動きで、見る側を心地よくだましてくれる。タネも仕掛けもあるのだが、真実はぜひ自分の目で確かめてみてほしい。

ゴージャス登場箱 「デルモンテ2020」(I04-04)

カズヤシバタ氏は「デルモンテ2020」を引っさげ登場。なんでも超ゴージャスに演出する舞台装置は2020年に完成していたものの、リアルイベントでのお披露目は今回がほぼ初めてという虎の子だ。改良を重ねた装置は繊細かつボリューミーで、重量40kgにも及ぶ筐体を運ぶ専用のクローラーさえ装備されていた。動画だけでは見えない工夫に目を凝らしてみよう。 

カセットテープDJ スーパーデラックス(I05-06)

カセットテープDJとして各地で活躍中の大江戸テクニカ氏。fabcross連載「『バラしてみたらオドろいた』家電分解ジャーニー」でも紹介される、最新版のカセットテープDJ装置で華麗なプレイを見せてくれた。板金などもふんだんに活用した装置は、なぜだか子供たちの食いつきが良かったという。カセットテープ時代が再燃する日も遠くないかもしれない。

ベルトコンベア式3Dプリンター「Leee」(F02-06)

BirthTはベルトコンベア式3Dプリンター「Leee」と、開発中の最新モデルを出展。長さ方向に制限のない3Dプリンターは剣や杖などコスプレ道具の造形を想定して開発したが、製造業からの反響も多かったという。そんなニーズに応えるべく、精度や使い勝手を大幅に向上させた最新機種は、FAB&アシスティブテクノロジーゾーンでもひときわの存在感を放っていた。

2年ぶりのリアル会場展示となったMaker Faire 2022。会場は再会を喜ぶような熱気にあふれ、Maker や来場者たちは活気のあるコミュニケーションを楽しんでいた。なお、イベントの一部はオンラインでYouTube Live配信なども行われている。

入場には日時指定チケットが必要なほか、来場者登録も必要となる。公式サイトをチェックし、万全の準備をした上でイベントを楽しもう。

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