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クラウドファンディングとものづくりの関係

プロジェクトオーナーの強い思いと個性が生きるものづくりのために、kibidangoが作り出すファンとの新たなつながりの場

手数料の安さやEC機能を利用し、複数回のプロジェクトを開設するプロジェクトオーナーも多いkibidango。その根底にある、強い思いをもとに個性あるアイデアを実現するための支援として、プロジェクトオーナーとユーザーとがつながりやすくするための新機能も実装している。事業支援として、そしてより個性的な製品づくりができる仕組みづくりのためにkibidangoが行っていることはなにか、きびだんごの青井一暁さんに話を伺った。

EC機能をもったクラウドファンディングサイトのkibidango。掲載期間中に目標金額を達成したものだけがその後EC機能を実装し、マーケットプレイスとなる。「クラウドファンディングのプロジェクトページには、オーナーの強い思いと熱意が込められています。その熱量を生かすためにEC機能があるんです」と青井氏は話す。

プロジェクトページに自分自身の紹介や、製品に対する思いなどをかなり詳細に記述することで共感者を増やし支援を募る。目標金額を達成したということは、その記載された内容を踏まえて多くの人が共感や応援をし、支援した証。そうした一連の様子は、色褪せることなく営業ツールとして生かすことができる。

例えば、通常の展示会などでは多くの参加者すべてにきちんとプレゼンできるかといえば難しい。しかし、クラウドファンディングで成功することで「プロジェクトページを見てください」と短い時間の中でも伝えることができれば、プロジェクトオーナーがどのような思いでその製品を作り、どういった共感者や支援者が集まっているかを理解してもらうことができる。

「プロジェクトページの作り込みや活動報告などの進捗状況をきちんと共有することは、もともとはプロジェクトを成功させるために行うことです。しかし、結果としてその後のビジネスに活用できるなど、単純にショッピングの売上向上だけではなく、営業やマーケティング面で多大な効果を得ることができます」(青井氏) 

これからは、強い思いと個性が生きる時代

ものづくりの現場では、納期や工場とのやりとりによる量産体制の確保ができず、場合によっては商品が届かないケースも海外では存在する。kibidangoでは商品の実現可能性も、事前のプロジェクト審査の基準にしているという。実現可能性があるかどうかは、プロジェクトオーナーの経歴や企画内容を踏まえた上で判断する。また、商品によっては知財や名称などのリーガルチェックも必要だ。そうした体制も今後強化していくという。

最近では、大企業がクラウドファンディングを活用するケースも増えてきた。本来、大企業の商品企画は社外秘で密かに進められることが多く、企画から製品リリースまでに数年から10年以上かかることも多い。また、ユーザーの声やフィードバックなしに大量の資金を投入するのはリスクが高いため、結果的に個性的なものよりも無難に収まった商品になりがちだと青井氏は指摘する。

しかし、これからはクラウドファンディングサイトを通じて事前に市場の声を集めることができる。それによって、個性のあるものやニッチな製品のニーズを探ることができ、特定のユーザー層に深く長く使われるような商品づくりが行えるようになった。そんな時代だからこそ、多様なものづくりの世界が訪れてほしいと青井氏。

例えば、kibidangoでは個人のものづくりがきっかけで多くの支援が集まった人気商品がある。「ユリシーズが仕掛ける、高機能でカジュアルなメッセンジャー型カメラバック」では、目標を600%以上達成する金額を集めた。プロジェクトオーナーの魚住氏自身が、自分にとって欲しいものを追求したことが商品づくりのきっかけとなり、構想9年、着手から1年半かけてバックを開発した。

「プロジェクトオーナー自身が究極のユーザーだからこそ生まれた商品。個人の熱量があり、それによって商品に辿り着いたからこそ、細部にまでこだわったものができた。そこに多くのユーザーも共感し、多くの支援が集まった」と青井氏。まさに、こうした強い思いと尖った個性のある商品が生まれやすくなる時代に、作り手や作り手をサポートする人たちに何ができるかを考えるべきだ、と話す。 

目標金額が達成されなければ生産しないということは、逆にいえば目標金額を達成したらあとは生産するだけであり、待っている人にいかにクオリティの高いものを届けられるかを考えるだけだ。また、目標金額達成後には支援した人も確実に商品を手にとることができ、支援のハードルも下がりやすい。さらにユーザーの声をうまく開発にも巻き込むことができれば、より良い製品に仕上がる。プロジェクトを始める側と応援する側双方にとって、メリットの高い環境だ。

アイデア段階からファンを集める仕掛けづくり

思いを持って個性ある商品を作ることができるとはいえ、開発中の製品やまだものができないプロジェクトではリワードが設定できないということもあり、いきなりプロジェクトを始めようとしてもクラウドファンディングサイトに掲載することは難しかった。

そこで、プロジェクトとしてはまだ詳細が固まっていないが、自身が考えているアイデアやプロジェクトの概要を公開することで認知を高め、ファンを集めてつながりを作り出す「プロジェクトの種」機能を実装。プロジェクトに対する思いや熱意、現在の活動報告など発信することでファンを獲得し、いざプロジェクトをスタートするときの下準備を整えることができる機能だ。

各プロジェクトにはフォローボタンが実装されており、これを押してフォローすることで、最新情報や支援募集期間前の案内メールなどがユーザーに送られてくる。そして、気に入ったプロジェクトやオーナーをフォローすることで、継続的につながるきっかけとなる。すでにいくつかの「種プロジェクト」が掲載されており、見ているだけでも面白い。 

「クラウドファンディングサイトでプロジェクトを掲載しようと思うと、ついつい予約販売的な形になりがちです。しかし、クラウドファンディングを始めるには事前のコミュニティやネットワークも重要。そこで、人とのつながりを作りやすくする場としての利用をもっと推し進めたいと考え、通常のクラウドファンディングと並列した形で実装した機能です。自身がやりたいこと、実現したい思いをまずは荒くてもいいので発表し、それに共感した人を集める。事前に共感者を募りやすくする場を作ることで、個性があったり尖ったものづくりがやりやすい環境になるはず」(青井氏)

クラウドファンディング単体でいかにお金を集めるか、と考えるだけではなく、事業全体や実現したい夢を達成する大きな構想の中の一部の戦略として、いかにクラウドファンディングを活用するかを見据える人を増やしたいと青井氏。

「クラウドファンディングという場を通じて、人とのつながり、商品性のあるリワードを考えることから自分たちの価値を見いだし、事業そのものが持続性をもつための仕組みづくりを考えること。それこそが、kibidangoが考える大きな意味でのビジネス支援の形だと考えています」(青井氏) 

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