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Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一

奇才の海外プロダクトデザイナーが創った本格化オーディオ 「YAMAHA STEREO CASSETTE-DECK TC-800/Design by Mario Bellini」

蒐集家を始めてから12年、長いようでまだまだ巡り会えない家電が多いのも事実。だから仕事ではなくライフワークとして今後も続行しようと思っている。それにしても当初より珍しい家電はここ数年めっきり少なくなったが、それでも出会うときは出会うから未知との遭遇はやめられないのだ。

今回紹介する家電は70年代後半から80年代にかけての新しいプロダクトデザインの流れから誕生した。

それは好景気をうけての海外デザイナーの起用だ。当時日本のプロダクトデザイン界は、急速な成長を遂げるもまだまだ実力は未熟な状況で、各企業はこぞって海外のデザイナーに熱い視線を注ぐのである。 

当時起用された主なデザイナーは世界で活躍する名だたる巨匠達だ。なかでもイタリアのマリオ・ベリーニ(Mario Bellini)はBRIONVEGAやOlivettiなどの家電デザインで実績があり、世界的に注目を集めたデザイナーで、今回紹介するオーディオ機のデザインを手がけた。そして他にもエットーレ・ソットサス(Ettore Sottsass)やルイジ・コラーニ(Luigi Colani)など蒼々たる面々が日本で起用された。

では今回蒐集したヤマハのカセットデッキ「TC-800」を見てみよう。まず目を引くのが従来のデッキの枠を超えた斬新なフォルムだ。全面が傾斜した塊感のあるデザインはオーディオの未来を最高に演出した感じがする。そしてこのデザインには訳がある。それはポータビリティの重視で、家の中でも外でも使いやすさを重点に置いてデザインされたのだ。

性能はそんな奇抜さとは無縁で、ヤマハが考えるオーディオの基本性能を余すこと無く投入し、ヤマハ独自のナチュラルサウンドを実現した製品だった。当時はこの上位機種に「TC-800GL」という機種もあった。今となってはオブジェとして大切に保管したいと思っている。

YAMAHA STEREO CASSETTE-DECK TC-800/Design by Mario Bellini

発売時期:1976年(昭和51年)

1976年に起きた主な出来事

  • Apple Computer設立
  • 日清食品「日清焼そばU.F.O.」発売
  • 週刊少年ジャンプに秋本治の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」連載開始

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