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Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一

夏が来るのが待ち遠しかった、水に浮かべて聴ける完全防水型ラジオ「NATIONAL PANASONIC RF-622 マリン1号」

70年代はラジオの時代だった。当時中学生だった僕の唯一のパーソナルな情報ツールがラジオだった。1974年前後と言えば爆発的に流行したのがBCLだったが、それとは別に若者が熱狂したのが深夜放送だった。東京ならばNHK、東京放送(TBS)、文化放送、ニッポン放送各局で深夜に個性的なパーソナリティーが登場してとっても楽しい時代だった。僕はTBS派で、「パックインミュージック」がお気に入りで、ラジオのスケールにマジックで放送局の場所を記し今で言うブックマークしていた。

そんな時代の異端的なラジオが今回紹介するマリン1号だ。そのネーミングからもかなり変わった印象を受けるが実は本格的なラジオなのだ。まずデザインだが当時流行ったミリタリールックを基本に、全体、各パーツが構成されている感じがある。

よく見るとスピーカー周りが毒ガスマスクっぽくもあり、かわいいネーミングの割に毒々しさもある独特のデザインだ。色は今回のブラックとホワイトの2種類がある。この当時ナショナル(松下電器)が販売していたラジオは、BCLブームの黎明期に出た「RF-877 COUGAR7」がある。こちらは短波も入り、ジャイロアンテナも装備した電波の探索者的なラジオでマニア向きだ。

そしてマリン1号は全く違う水陸両用、完全防水というコンセプトから生まれたAM/FMラジオなのである。だから水に沈めても水深50cmまで大丈夫。本体は全てのパーツにゴムパッキンが施され、スピーカーも電池蓋も堅牢に出来ていて水が入ることはない。海でも使った後は本体ごと水洗いできるのだ。ただ、堅牢すぎて電池交換が大変な感じはある。

マリン1号は普通のラジオと違って使う場所を選ばない本物のポータブルラジオだ。当時は自分の部屋でラジオを聴いていて、そのままお風呂に持っていっても聴けるのは魅力的だったと思う。もうひとつは夏のレジャーで海やプールに浮かべて聴くのが醍醐味で大活躍したに違いない。僕も近所の銭湯に持っていって聴きたい気持ちも出てきたけど現代では無理かもね。

NATIONAL PANASONIC RF-622 マリン1号

発売時期:1974年(昭和49年)

1974年に起きた主な出来事

  • ニッポン放送「吉田拓郎のオールナイトニッポン」放送開始
  • フィンガー5「学園天国」がヒット
  • 朝日新聞朝刊の連載4コマ漫画「サザエさん」が6477回で終了

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