新しいものづくりがわかるメディア

RSS


Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一

画像通信の幕開けを告げた静止画テレビ電話「NTT MiTeTe-U」

現代は映像が簡単に送れるのが当たり前の時代だ。しかしそんなテクノロジーも必ず最初がある。1970年代、僕が小学生の頃に読んでいた漫画週刊誌の「未来の暮らし」等の特集の中に、必ず登場したのがテレビ電話だった。当時は家に電話が無い家庭も多く、テレビ電話は夢のまた夢だった。しかしそんな時代だからこそテレビ電話に未来を感じたのだと思う。

映像通信はもうひとつ、テレビ番組「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊の隊員達が使っていた腕時計型通信機「ビデオシーバー」にも強烈な印象があって、相手の姿を動画で見ながら交信するシーンに憧れたのを思い出した。交信中に画像が乱れた時があったのでアナログ波を使っていたのかもしれない(笑)。

そんな昔の空想が現実化したのが今回ご紹介する蒐集物、NTTの静止画テレビ電話「MiTeTe-U」だ。このMiTeTe-Uは調べてみたがほとんど資料が無く価格などは不明だ。ただ今回は箱ごと入手して取扱説明書が入っていたので当時のスペックはどうにか確認できた。そしてこのMiTeTeは当時若干のバリエーションが存在したらしい。

(※編集部注:MiTeTe-Uは、三菱電機が1988年6月に発売した「LU-600J(TELEpaSEE)」のOEM製品と思われます。) 

まずネーミングのセンスはポストモダンデザインが流行した80年代後半の感じが良く出ている。箱のデザインもポップな感じが同様な印象だ。そして本体のデザインはまさに子どもの頃に空想したテレビ電話そのものではないか。実際内部には小型の白黒ブラウン管が入っているのでこの形状は必然で、結果レトロフューチャー的なデザインでまとまったといった感じだ。よく見えないけれど画面の横にカメラを内蔵している。

しかしそのスペックを見るとかなり厳しく、当時でも何とか使えるといったところだったと思う。ちなみに送受信できる静止画像(白黒)の解像度も100×160ドットだ。でもそんなことは僕にとってはどうでもいいことで、MiTeTeがテレビ電話時代の到来を告げた意義ははるかに大きいと思うのである。

NTT MiTeTe-U

発売時期:1988年

1988年に起きた主な出来事

  • カルガリーオリンピック開催。女子フィギュアスケートで伊藤みどりが日本選手として24年ぶりに5位入賞
  • 青函トンネル開通
  • セガが家庭用ゲーム機「メガドライブ」発売

関連情報

今人気の記事はこちら

  1. 昔のマルスをイメージして、パタパタめくってピンを挿す「路線検索ガジェット」を作った
  2. 西和彦氏がM5Stack上で動作するMSX2のオリジナル公式エミュレーター「MSX 0 stack」を発表
  3. Raspberry Piと公式カメラを1つに——Raspberry Pi 2/3/4B対応ケース「PiShell 2」
  4. Creality製の光造形3Dプリンター「HALOT-ONE PLUS」、サンステラが発売
  5. 透かし彫刻磁器という古くからある芸術形式を3Dプリントし、目の見えない人も見える人も共有可能なデータ形式を作製
  6. 1.54インチ正方形LCD基板「Squary」——「RP2040」または「ESP-12E」を搭載
  7. LEGO、教育用プログラミングロボットシリーズ「マインドストーム」を2022年年内で販売終了
  8. 1970年代に開発された戦車シミュレーターをRaspberry Piでレストア
  9. 工学社が書籍「『Raspberry Pi』から広がる電子工作の世界」を発売
  10. 柔軟な構造の分散型波力発電装置が特許を取得——風に揺れる建物や自動車が走行する道路などからも発電できる可能性

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る