Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
初めてクラウドファンディングで製品化したデザインPC 「CUUSOO CIGARRO PC」
時代と共に廃棄されるプロダクトも変わってくる。その中でも十数年でデザインが大きく変化したものの代表がパソコンだ。
今回はパソコンの廃棄所の薄型モニターコーナーにまぎれていたこんなPCを発掘した。多分普通の人には古い液晶モニターにしか見えなかったと思う。
80年代にスタートしたパーソナルコンピューターは僕が大好きなアップルのMacとWindows系に分かれる。
Macは当初から個性的な筐体デザインで、蒐集の対象だったが、Windows系で食指を動かした機種は今までほとんど記憶がない。
そして時代は20世紀も終わろうという当時、空想家電(現:CUUSOO)というサービスを展開するWeb系会社(エレファントシステム 現:CUUSOO SYSTEM)があり、独自の予約型販売方式というプラットフォームを展開、ITを使ったプロダクト流通革命を提案していた。
それは今で言うクラウドファンディグの先駆け的存在だった。その空想家電が予約型販売で初めて製品化したのが2001年に誕生した「CIGARRO PC」というPCだった。
CIGARRO PCはものづくり系、インテリア系、PC系のメーカーとデザイナー片山正通氏が組み、おしゃれなインテリア空間に負けないモダンでスタイリッシュなデザインでWindows PCを創るプロジェクトから生まれた。
そのCIGARRO PCは販売されて16年を経るが、ステンレスで構成された斬新なデザインはいまだ新鮮だ。2001年といえばスケルトンの「iMac」が販売されていた時期(1998~2002年)でもあり、iMacの裏でiMacとは対照的なデザインPCが日本で誕生していた事実は実に興味深い感がするのである。
CUUSOO CIGARRO PC
発売時期:2001年
2001年に起きた主な出来事
- アメリカ同時多発テロ事件
- AppleがiPodを発表
- 東京ディズニーシーがオープン