Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
時代を早く駆けすぎたカセットサイズのハンディワープロ「PLUS WORD RUNNER SUPER COMPACT WORD PROCESSOR」
蝉の鳴き声も少し落ちついて夏もそろそろ終わりそうな気配を感じるこの頃、蒐集にはもってこいの季節の始まりでもある。夏の間の蒐集は暑かったために探す時間も短く集まったものは少ないが、その中から今回は変わったワープロを紹介する。
ただ、これも箱のままお店の片隅に何十年も置かれていたため少し色褪せた箱入りで入手した。
この製品の一番の特徴は大きさだ。カセットテープケースと比較してみたが手のひらにすっぽり収まるコンパクトさである。
正直僕にはこの製品の記憶はないが、今見るとこの時代によく出たなと思えるほどハイスペック製品だ。
普通のワープロはキーボードで入力するが、WORD RUNNERはなんと手書き入力なのだ。そしてすごいところは作った文章をそのまま印字できるところだ。基本、1行印字ができるハンディワープロなのである。
写真で分かるように、知ってる方には懐かしいインクリボンを装着して紙をなぞるだけ。でも実際は真っ直ぐ印字するのは意外と難しく、綺麗に印字するには何らかのガイドが必要だったようだ。
一般的なデスクトップワープロはまだ何十万もした時代に、WORD RUNNERは2万円を切る価格で登場し、多少のニーズはあったのかもしれない。しかし当時を振り返るとこの頃、キングジムから今でも現役で有名な「テプラ」が登場するのである。
WORD RUNNERーはワープロというよりは、文字ラベルなどを作成するテープライターに近く、扱いやすさやコスパ等を比較してもテプラに軍配が上がった感は否めない。時代をあっという間を駆け抜けて消えていった不遇の製品だったのかも知れない。
PLUS WORD RUNNER SUPER COMPACT WORD PROCESSOR
発売時期:1987年(昭和62年)
1987年に起きた主な出来事
- 世界の人口が50億人を突破
- NECホームエレクトロニクスが家庭用ゲーム機「PCエンジン」発売
- 日本国有鉄道(国鉄)が民営化。7社に分割され、JRグループ7社が発足