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Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一

メンフィスデザインの流れを汲んだ唯一の電話番号探索機 「NTT 番号案内情報検索装置 ANGEL NOTE」

家電蒐集家にとって夏の屋外はあらゆる意味で危険と隣り合わせ。強い日差しによる日射病を回避するため蒐集は必然的に屋内が中心になる。車で移動して倉庫やビルの中にある蒐集ポイントを目指すのだ。

さて梅雨明けも微妙な東京で、多分使われなくて残っていた家電が、今回紹介する「NTT エンジェルノート」だ。正式には家電ではなく、NTTが当時のサービスの一環としてユーザーに貸し出していた製品だ。

現在は有料サービスの電話番号案内104は、以前は無料の時代があった。エンジェルノートは、1990年に無料から有料に切り替わる際に、自分で電話番号を検索できる端末として希望者に無料でレンタルされたものだ。ただし希望者全員にというわけではなく抽選で当選した人に配布された。

そしてこのエンジェルノートの凄いところは当時起用されたデザイナーだ。1980年代、世界のデザイン界に多大な影響を及ぼしたイタリアのポストモダンデザインの巨匠、エットーレ・ソットサスが担当したのだ。

今回入手した初期型のエンジェルノートには、ソットサスのポストモダンのエッセンスがデザイン、色彩と全てに渡って取り入れられていて、単なる端末機の域を超えてアートピースとしての存在感のある製品だと思う。

しかし、実際の使い勝手はキー配列が50音順であることや、ツマミ類の操作のしづらさなど、製品としての完成度はやや難があった感じは否めない。

1990年代は世界的なポストモダンの流れが全ての工業製品に影響を与えていた時で、日本の家電業界にもその波は押し寄せ、バブル期と相まってさまざまな企業で贅沢なコラボが行われた。

以前紹介したYAMAHAの「TC-800」も海外のデザイナーを起用した一例だ。今振り返ると、それらの製品は日本のバブル時代が生んだ名作達といっても過言ではないかもしれない。

NTT 番号案内情報検索装置 ANGEL NOTE

発売時期:1990年(平成2年)

1990年に起きた主な出来事

  • 東西ドイツ統一
  • 宇宙探査機ボイジャー1号が太陽系の複数の惑星を連続写真として初撮影
  • 任天堂が「スーパーファミコン」を日本で発売 

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