Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
輝く赤色LEDカウンターに未来を感じた本格派BCLラジオ 「National Radio RF-2800 PROCEED 2800」
体調が少しずつ良くなっているので蒐集活動を身近で始めていて、主にハードオフ等のリサイクルショップを中心に回っている。実はハードオフもこまめに探すと、結構面白いものに巡り合うことも少なくないのである。
やはり中古家電との出会いはタイミングなのだと実感している。これまで十数年間、見つけたが購入できずに逃した家電も多く、今も教訓にしている。
今回はそのハードオフの埼玉の某所で発掘した1970年代のBCLラジオ、「PROCEED 2800」を紹介する。このプロシードを発掘したとき、なぜか手前に別の製品が置いてあって一部しか露出していなかったのだが独特の把手のデザインで2800とすぐ分かった。
PROCEED 2800は普通に言うと短波ラジオなのだが、この時代のラジオは敬称としてBCL~を付けてしまう。PROCEED 2800はBCLラジオとして初めてデジタル周波数カウンターを搭載し、周波数を直読できるラジオとして登場した当時としては画期的なラジオだ。その頃はソニーとナショナルが主なBCLラジオの製造と販売をしていて(※他の家電メーカーからももちろん出ている)、ナショナルの「クーガ」とソニーの「スカイセンサー」が当時の男子の憧れのラジオだったのだ。
そのナショナルが鳴り物入りで登場させたのがプロシードで、それまでのBCLラジオとは格の違いを感じさせた製品だ。ただデジタル表示は短波のみで、全バンドのデジタル表示は次の「PROCEED 2600」を待つことになる。
しかしチューニングダイヤルやスイッチ類の質感は、当時としては高級感があり憧れて秋葉原でカタログを入手した経験がある。今回入手したPROCEED 2800はデジタルカウンターの上のフードが欠品していたがコンディションは良く、しばらく使ってみようと思っている。果たしてどんな放送局が受信できるか楽しみである。
National Radio RF-2800 PROCEED 2800
発売時期:1977年(昭和52年)
1977年に起きた主な出来事
- 「キャンディーズ」が引退
- アップルが「Apple II」を発売
- フジテレビ系列にて「ドリフ大爆笑」が放送開始