Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
音質よりもアナログの味わいを楽しみたくなる卓上電蓄「COLUMBIA RADIO PHONOGRAPH MODEL 248」
家電を集める基準、筆者の場合はあくまでも第一印象だ。スペックではなく家電そのもののデザインに惹かれたときに購入を決意する。そして集めているほとんどのものが昔の家電のため、動作はほぼ確認なしで購入している。だからファクトリーに持ち帰って電源を入れると、半数近くはジャンクになる壊れたものが多い。しかし筆者としてはそれで十分で、蒐集家として求めているのはユニークな家電との出会いだけなのだ。
探すプロセスから出会うまでを楽しむのが蒐集家としての醍醐味だ。そのような訳でリサイクルショップなどにはほとんど行かず、独自のルートを日々開拓しながら活動している。
そんな中で比較的よく出会うのが、ポータブルのレコードプレーヤーだ。それらは1970年代製がほとんどだ。80年代にはCD、MDの登場によってポータブルレコードプレーヤーはほぼ絶滅したと言ってよい。そして今回紹介するのは日本コロムビアのラジオ付きポータブルレコードプレーヤー「MODEL 248」だ。素っ気ない型番が時代を物語っている。
日本コロムビアといえばてんとう虫型のプレーヤーが有名だが、ベーシックなタイプも意外といい感じだ。
オレンジ色が眩しい製品で当時は部屋の中で存在感を誇ったのだろう。製品自体はラジオとレコードプレーヤーの切り替えと操作ツマミというシンプルな構成だ。
レコードスピードの切り替えも黄色のレバーで分かりやすい。もちろんLPもOKだ。
そして電源はACと電池の2通りが可能で屋外でも活躍する。
そんな248は今見てもスタイリッシュなデザインで、使わなくてもインテリアとしても十分通用するアイテムだ。
COLUMBIA RADIO PHONOGRAPH MODEL 248
発売時期: 1970年代(データーがないため)
1970年代前半に起きた主な出来事
- ビートルズ解散(1970年)
- オーディション番組『スター誕生!』放映開始(1971年)
- フランシス・コッポラ監督『ゴッドファーザー』が公開(1972年)