Dig up the underground「プロダクト一機一会」 by 松崎順一
モノクロ液晶でレトロ感が漂った1980年代の情報端末ツール シチズン液晶卓上壁掛けテレビ「TB20-0J」
ようやく秋の気配が訪れ、蒐集家としては嬉しい季節になった。ただ、台風は余計だけれど(笑) 涼しくなると物も出やすくなる感じがする。
僕の蒐集の中でも1980年代の製品は特にユニークなものが多い気がする。それは素材を含む造形の自由さと、デザイナーの貪欲なまでのクリエーションのたまものだと思っている。さらにバブルに向かっての経済の勢いもあったと感じる。
そんな勢いのあった時代に生まれたポータブル液晶テレビが今回ゲットした製品だ。
この頃のポータブルテレビでは、ソニーから既に「ウォッチマン」が発売されていたと思うが初期のものは液晶ではなく扁平ブラウン管を使用したアナログなものだった。その後液晶が進化し時計メーカーのシチズンやカシオもポータブル液晶テレビに参入してさまざまなバリエーションが生まれた時期だ。ただ、当時のカタログを見るとカラーテレビで3〜4万円、モノクロテレビで2〜3万と意外と高価だったことが分かる。
そしてこの時代のポータブルテレビは情報をいつでもどこでもキャッチできる情報端末ツールだった。
今回ゲットした「TB20-0J」はモノクロ画面の液晶テレビだ。画面サイズはカセットテープよりやや小さい3.5インチだ。
真横から見ると本体の奥行きは意外に薄いのが分かる。このスリムさで壁掛けも可能な製品だ。
また、画面横に全てのスイッチ類がまとまって配置され使いやすいデザインだ。
そして本体の背面にはスタンドが付いており2段階の角度調整ができるようになっている。
バッテリーは単二形電池を4本使用し20時間持つようだ。
今となっては地デジ化により画面の具合を見ることはできないがモノクロ液晶はかなりレトロな感じがする。いつか実際の画像を見てみたいと思っている。
「シチズン液晶卓上壁掛けテレビ TB20-0J」
発売時期: 1986年
1986年に起きた主な出来事
- 宮崎駿監督「天空の城ラピュタ」が公開。
- 「ミュージックステーション」放送開始。
- 富士フイルム「写ルンです」発売。