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Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一

スタイリッシュに登場した、アポロ宇宙船で活躍したテープコーダーの後継機 「SONY CASSETE-CORDER “Mic in Matic” TC-1000」

なんだかあっという間に真冬の寒さになった今日このごろだが、寒くなるとたくさん出て来るのが不用品だ。やはり冬物を出すときに要らないものを一緒に処分するためだろう。家電蒐集家にとって冬の始まりは廃棄されるものが増える風景だ。先日も巡回している某廃棄物を取り扱っている場所で、定点観測を行ってきた。その中で数点を収集した。その一つがブラウン管テレビで、時代的には音声多重放送が始まって少したった頃の21インチブラウン管テレビだ。箱入りで保管されていたので傷がなくとても奇麗でコレクションの一つとなった。

そしてもう一つは今回紹介するポータブルカセットレコーダー、ソニーの「TC-1000」だ。

正確にはソニーではカセットコーダーと呼んでいる。TC-1000は、1960年代後半に発売され、その性能の良さからアポロ宇宙船にも搭載されて話題を呼んだ「TC-50」の後継機になる。その流れはウォークマンの元祖になったプレスマン「TC-M100」に受け継がれていく息の長い製品だった。TC-1000の「マイクインマチック」とはマイク内蔵の自動録音機といったところだろうか。

では実機を見てみよう。シンプルな外観で、操作部のみブラックパネルの分かりやすいインターフェースになっている。角はRを付けた曲面で処理されておりゴツさはない。

真横から見ると、スピーカー部分と下部のバッテリーホルダーがよく分かる。

さらに正面から見ると、丸窓でデザインされたマイクカバーが誇らしげだ。そしてその下にはボリュームとカセットのポーズボタンが並んでいる。そして一番下にソニオマチックと呼ばれる、録音する内容によって最適な音量で録音できる自動録音の切り替えスイッチがある。

今回ゲットしたTC-1000には付属品のレザーでできているケースが付属しており、カセットぶたのところを開くとこのような感じになる。

カセットのふたは指で引っ掛けて持ち上げるだけで簡単に開く。イジェクトは指の横にあるイジェクトボタンを押すとカセットが持ち上がる仕掛けだ。

上部のカセット操作部には実にシンプルにボタンが並んでいる。録音のR文字が初期のレコーダーを感じさせる。

ちなみに電池はケースを横にスライドすると簡単に着脱できる。単三4本仕様だ。

インターフェースの裏側には拡張用の各種ジャックが奇麗に配列されている。

TC-1000は今見ても色あせないスタイリッシュなデザインだ。ただ重量は850gとずっしりしている。今日こんなプレーヤーでさりげなくテープを聞くのも悪くない。

「SONY CASSETE-CORDER “Mic in Matic” TC-1000」

発売時期: 1972年

1972年に起きた主な出来事

  • サントリーが業界初の500ml缶ビールを発売
  • 週刊少年チャンピオンで「ドカベン」連載開始
  • フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)の累計生産台数が世界記録更新

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