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Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一

1980年代に高校通信教育講座受講者に無償配布された専用ラジカセ「NEC FM SUB/FM AM RADIO CASSETTE TAPE RECORDER RM-380(非売品)」

本年はいよいよ平成の最後の年となったわけだが、昭和と比べて平成はどういう時代だったか先日話し合う機会があった。昭和の波乱万丈な時代と比較すると平成は熟成の時代という話になった。現代はさまざまな技術革新が行われているが、その大元は全て昭和に発想されたもので、平成はその延長として革新に次ぐ革新が続いている時代のように感じている今日この頃だ。そして今年の冬は寒い日々が続いており収集にはこたえる季節だ。そんな中偶然出会ったのが今回紹介するラジカセだ。

ぱっと見は普通のラジカセで取扱説明書を見ても通常の使い方しか載っていない。ただ一般のラジカセの取説と大きく違うのが、表紙の下に「FM東京」というロゴが印刷されていることだ。いったいどういうことなのか若干調べてみた。

このラジカセは当時FM東京で放送されていた「高校通信教育講座」が、FM東京が音声多重放送になったのを機にサブチャンネルに移行されたため、その講座を聴くための専用ラジカセとしてNECが製造し受講者に無償配布したという経緯があるようだ。

それでは現物を見てみよう。今回は外箱に入ったまま入手した。NECのラジカセはほとんどがOEMで作られておりこの「RM-380」も某家電メーカーのOEMと思われる。

箱を開けるとパッキングされた本体と取扱説明書、そしてFM専用のダイポールタイプのアンテナが付属している。電波が弱い地域用に用意されていたようだ。

正面を見るとカセットの録音とラジオのチューニング状態の表示が並んだ黒い窓が見える。

ちなみにカセットテープレコーダー部は普通のラジカセと同じように、内蔵しているマイクからの録音/再生も可能だ。

そしてラジオ部はOEMの元のアナログチューナーではなく、PLLシンセサイザーチューナーが採用されており、放送局がプリセットできるようになっていて便利である。

チューナーは赤色LEDカウンターでAMもFMも周波数が直読できる。そして講座を聴くときはバンドセレクターをFM SUBにすると受信できる。その際正面のインジケーターが光るようだ。(現在は放送していないため動作は未確認)

そしてユニークなのが、本来チューニングダイヤルのある場所にFMの外部アンテナ端子があり、ダイヤルはそのキャップになっているところだ(笑)。

音質は大変よく、今使ってみてもカセット、ラジオとも十分に動作する。筆者としてはFMがワイドバンド設計ではないのでちょっと惜しい感じがする。ただ当時無償で配布されたラジカセとしてはもったいないくらいに良くできた製品だ。

「NEC FM SUB/FM AM RADIO CASSETTE TAPE RECORDER RM-380(非売品)」

発売時期: 1988年頃(詳細不詳)

1988年に起きた主な出来事

  • 日産自動車が高級車「セドリックシーマ/グロリアシーマ」を発売。シーマ現象と呼ばれるほどヒットした
  • ファミコン用ソフト「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」発売
  • 映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」公開

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