Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一
夏が来ると思い出す——コカ・コーラハッピーかんかんキャンペーン懸賞品 「コカ・コーラ自販機型カセットプレーヤー(非売/懸賞品)」
スタートはいつからか不詳だが1970年代から80年代前半にかけて夏が近くなるとコカ・コーラ缶のトップに星のマークが印刷されたものが出回り始めた。それはコカコーラが夏になると行っていた「ハッピーかんかん プレゼントキャンペーン」だった。それは星の付いたプルリングを集めて応募するスタイルだった。そしてその懸賞品はラジオやトランシーバー、ヘッドフォンラジオ等の小型家電が多かった。イメージカラーの赤色とオリジナルロゴで統一された懸賞品目当てで応募した人は少なくなかったのではないだろうか。
コカコーラはその後もさまざまなキャンペーンを行い、ユニークな懸賞品が多く存在するが70年代の懸賞品はかなり希少だと思っている。今回はその中の一つで、ロゴやその他のデザインから70年代と思われる自動販売機型カセットプレーヤーを紹介する。今回はラジカセの好きな知人から譲り受けたもので箱や付属品は無く本体のみだ。
それでは懸賞品のカセットプレーヤーを見てみよう。本体は当時の自販機をそのまま小さくしたようなスタイルだ。
上部の取っ手は赤いベルトになっている。カセットぶたは木目調でその上には「コカ・コーラ」、「スプライト」、「ファンタ」などの商品のラインアップと看板でまさに自販機のデザインをうまく表現しており、コインを入れる黒い箇所は内蔵マイクになっている。
やや離れて見ると自販機にしか見えないほど上手くコピーしている。
本体の横を見るとロゴと白いストライプが目立つ。印刷されているロゴは1960年代から80年代あたりまで使用されていた昭和の時代のロゴだ。その上にはちらっとボリウムが見える。
コカ・コーラを含め、ファンタオレンジ、グレープ、スプライトと懐かしいロゴが並んでいる。
カセットプレーヤーの操作部は本体上部にあり、シンプルな構成だ。正面から見たときに上手く隠れるようになっている。
イジェクトボタンを押すとカセットのふたが開く。ここまで見てもプレーヤーではなく自販機に見える。
本体の後ろ姿はいたってシンプルで「MADE IN JAPAN THE COCA-COLA BOTTLERS BY THE GENERAL CORP.」と簡単な文章が刻印されている。
電源はAC100ボルトと6ボルトの電池の2ウェイ仕様になっていて便利だ。そして本体はしっかりした作りでコカコーラマニアでなくても欲しくなる逸品だ。
「コカ・コーラ自販機型カセットプレーヤー(非売/懸賞品)」
発売時期: 1970年代(詳細不詳)
1970年代に起きた主な出来事
- 日本万国博覧会(大阪万博)が開催(1970年)
- ワールドカップ3回優勝したブラジルのサッカー選手ペレが引退(1974年)
- 「およげ!たいやきくん」シングルレコードのセールス日本記録達成(370万枚、1976年)