Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一
てんとう虫をモテーフにした今も色あせないミュージックガジェット「COLUMBIA PORTABLE RECORD PLAYER SE-8」
猛暑が続く毎日だが、外での収集活動は危険を感じるため少し控えている。ただそんな中、全国から入荷するものも少なくない。オーディオに限定して買い取りもしているが、現代では終活などでモノを手放す方も多い。その中に意外と面白いプロダクトを発見することがある。今回紹介する日本コロムビアのてんとう虫型のレコードプレーヤーも、知ってはいたが外箱は見たことがなく、外箱付きで入荷した時は思わず喜んでしまった。
たぶん世の中にも外箱はすでに消滅している可能性も大きく、貴重な1台になるかと思っている。日本コロムビアはその他に「GP-3」というポータブルレコードプレーヤーの名機もあるが、今回はお子様向けだった「SE-8」を細かく見てみよう。
まず発売した年だが、筆者が持っているカタログによると1974年となっている。SE-8は今回紹介する赤と、出回っている数は少なめだが緑が存在する。カタログにも2色で紹介されている。そして当時の定価は6990円と半端な価格だ。
本体は全てプラスチック製、胴体部分がプレーヤーで、羽根の部分がふたになっている。ちなみにてんとう虫の星の数は6個だ。
重さも比較的軽く、片手で楽に持ち運べる。そして外箱だが、SE-8のほぼ実寸の絵柄が印刷されており箱を並べていても商品のイメージ訴求ができる仕掛けだ。
SE-8の操作はいたってシンプルで、二つの目玉のうち一つが電源スイッチ、もう一つがボリュームになっている。
ふたは三カ所で留まっていて少し力を入れるとパカンと外れる。そしてふたの裏にはドーナツ盤用のアダプタが取り付けてある。これは便利かもしれない。
ふたを取った状態はこんな感じで、黒のベースにターンテーブルの赤と黄のトーンアームが映えるデザインだ。
SE-8はシングルからLPまでかけることができる。そのため速度も33回転と45回転に切り替え可能だ。
スピーカーはモノラルで本体に内蔵されている。そしてSE-8のふたを取ると昔のソノシート(薄いプラスチック素材でできたレコード)がそのまま乗っていた。当時は雑誌の付録によくソノシートが付いていたのを思い出した。
SE-8の電源は、内蔵されたコードでACと電池での利用が可能だ。ちなみに電源は自動切り替えだ。子ども向け製品のためコードは本体に直付けされ無くさないようにできているが、電池ぶたが無くなっているものも多く、ふたも取り外せないようにしていた方がよかったと思う。でもSE-8は今も色あせない名機だ。
「COLUMBIA PORTABLE RECORD PLAYER SE-8」
発売時期: 1974年
1974年に起きた主な出来事
- セキグチが「モンチッチ人形」発売
- テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』放映開始
- 新宿住友ビルディング(三角ビル)が完成