Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一
1980年代のデンマークが生んだ建築物のようなステレオラジカセ「B&O Portable Radio Cassette Player Beosystem 10 TYPE 1521」
今回入手したラジカセは、前回紹介したパナソニックの留守番電話「VE-R30」を引き取った際のメインの製品だ。バング&オルフセン(Bang&Olufsen)は僕が蒐集家になる前から憧れていた北欧、デンマークのオーディオメーカーだ。日本の製品には無い独特のデザインはスペックに関係なく魅力だった。 そんなバング&オルフセンが唯一作ったラジカセが「Beosystem 10」だ。発売当時の価格は残念ながら忘れてしまったが、当時の価格で10万円前後だったような気がする。当時は秋葉原のヤマギワリビナ本館でバング&オルフセンを取り扱っていて、見た記憶がある。今回はイベント中での買い取りで入手することができた。ちなみにボディカラーは黒のみだ。それではBeosystem 10を詳しく見てみよう。
まず本体はボディがブラックで、正面のプラスチックは鏡面になっており、写真を撮るとどうしても景色が反射してしまう。左右のスピーカー部分はサランネットになっている。
また取っ手は本体と一体になっており、ガッシリした感じがある。
取っ手には金属プレートが使われており、高級感を演出している。そして上面にはバング&オルフセンのロゴが品良くプリントされている。
そしてオペレーション部分は取っ手の下にレイアウトされている。左側にはスライドで可変するボリュームがある。音量を赤の針で確認できる。
そしてラジオは本体の右側にレイアウトされており、MW(中波)、FM(88MHzからになっているが、日本の仕様に調整されている)、そして日本のラジカセには無い、LW(長波)の3バンドが受信できる。ちなみにFMは3つの放送局をボタンにセットできる。
カセットメカは本体中央にあり、イジェクトボタンを押すと、ふたが開きカセットテープを入れることができる。
さらにカセットぶたの下には使用頻度の低い、設定用のボタン類が並んでいる。そしてFM放送局のセットはアナログ方式だ。
背面もフラットなデザインで、電池ボックスと端子類が並んでいる。左側には入力端子とヘッドフォン端子、外部スピーカー端子がある。
右側にはDCとACの電源端子がある。今回入手した製品は日本仕様で、100ボルトで稼動する。
そして面白いのが、アンテナの上にあるレバーだ。実はこれがラジオのチューニングレバーで、左右に動かしてラジオの受信周波数を変える。本体の正面からは見えない。
Beosystem 10は以前から欲しかったラジカセだ。今回イベントで出会った方が昔バング&オルフセンの仕事をされていて、Beosystem 10を所有していることが分かり、譲り受けることができた。ただ本体は長年経過していて現状では使用に適さないため、近いうちに整備して使いたいと思っている。
「B&O Portable Radio Cassette Player Beosystem 10 TYPE 1521」
発売時期: 1985年
1985年に起きた主な出来事
- 任天堂ファミコン用ソフト「スーパーマリオブラザーズ」発売
- ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」の放送が終了
- 映画『グーニーズ』公開
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