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Dig up the underground「プロダクト一機一会」by 松崎順一

海外デザイナーバブルの中、自社のデザインセンターで生み出されたデザイン家電「Panasonic Answering Machine VE-R30 Musica」

1980年代後半に始まったバブル時代、家電のデザインはどんどん派手になり、それらのほとんどは海外の著名なデザイナーを起用した海外デザイナーバブルと化していったが、国内メーカーのインハウスデザイナーも負けじと奮闘していた。

家電業界がそんな状況の中、当時の通信業界では1987年に携帯電話事業がスタートしたばかりで、一般家庭の電話はまだまだ留守番電話が主流だった。筆者も当時パイオニアのおしゃれなコードレス留守番電話機を購入した記憶がある。今回ゲットした電話機は、ラジカセを買い取りした際になぜかオマケで付いてきたものだ。そのラジカセは次回紹介したいと思っている。今回も本体のみでスペックなど詳細な仕様が分からないのが残念だが、じっくりと検証していきたい。

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自宅用の固定電話機なので、本体は適度な大きさだ。横幅は約20cmある。色はブラックだが、他にカラーバリエーションがあったかは分からない。VE-R30は基本的には留守番電話機だが、当時としては珍しくデザインにも気を配った電話機だ。

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デザインはやや有機的なフォルムで、左右がアシンメトリーのデザインになっている。実際実機を見るとディテールまでこだわっているのがよく分かる。

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そのデザインの大きな特徴は、本体から伸びるスピーカー部分と、さらにそこから横に伸びるバーの部分だ。

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このバー状の部分に受話器が乗っていて、使っていないときはバーと一体のデザインになっている。写真だとトップヘビーに見えるが本体のバランスは良い。

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本体の正面にスピーカーのボリューム調整スライダーがある。さらにその横には入力端子が存在する。留守電の応答用の音源などをここから入力できると思われる。

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そしてオペレーション部には、緩やかなカーブの上にプッシュ式の小さなボタンがレイアウトされている。やはりデザイン優先のせいか、ボタンは小さ過ぎて押しづらい感じがある。

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本体左側には留守録用の操作ボタンが並んでいる。その中でも「RELAX」ボタンが何を意味するか知りたい。

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右側にはプッシュ式のダイヤルボタンと、「SOUND CONTROL」と称する調整ノブがある。

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そして受話器を取るとこんな感じになる。コードレスではなくカールコードで接続されている。

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本体背面にはモジュラージャックと初期設定用のスイッチ類が並んでいる。

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本体の裏面のふたを開けると、メモリーバックアップ用の電池ケースと録音用のマイクロカセットテープが収納されている。この辺りが時代を感じさせる。

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この時代はライフスタイルが一気におしゃれになった頃で、床に置かれた照明器具や大画面テレビにローソファでカウチスタイルが大流行した。1989年グッドデザイン賞を受賞したVE-R30も、おしゃれな電話機としてその一翼を担ったのだと思っている。

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「Panasonic Answering machine VE-R30 Musica

発売時期: 1989年

1989年に起きた主な出来事

  • 新宿駅/渋谷駅にJR初の発車メロディ導入
  • 大橋巨泉司会のバラエティ番組「ギミア・ぶれいく 放送開始
  • 東京ディズニーランドに映画『スター・ウォーズ』をモチーフにした「スター・ツアーズ」オープン

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