新しいものづくりがわかるメディア

RSS


今週行ってみたいイベントレポート

人間味を残すデジタル表現——アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」(初台)

アート+コムならびにライゾマティクスリサーチが作品を手がける「光と動きの『ポエティクス/ストラクチャー』」が2017年3月20日まで東京オペラシティータワー内の「NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]」で開催されている。会場では「光と動き」という要素に対して、2組のチームが「ポエティクス(詩学)」と「ストラクチャー(構造)」をテーマに作品を展示している。

会期中にバージョンアップしていく作品

会場には、ライゾマティクスリサーチ制作の「distortion」、アート+コムの「RGB|CMYK Kinetic」、2つのチームがこれまで行ってきた活動を紹介した映像、本企画展中に行われたアーティストークの映像の4つが展示されている。4つしかないのかと思うかもしれないが、それぞれ非常に見応えのある作品になっているのですぐに1時間ぐらいは過ぎてしまうだろう。

作品名 distortion:鏡が4面ついたカートが自走し、それらをトラッキングし鏡の角度を計算して映像を投影する作品。まるでダンスをしているよう。 作品名 distortion:鏡が4面ついたカートが自走し、それらをトラッキングし鏡の角度を計算して映像を投影する作品。まるでダンスをしているよう。

「distortion」は会期中に5回のバージョンアップをしている珍しい作品だ。プログラミングや映像の知識がない人が鑑賞しても何を表現しているか分かるように表現方法を追求し続けている。鑑賞者が投影される映像の動きなどを把握しやすいように映像に格子模様を入れたり、実際に見ている映像と投影されている映像の違いが分かるように会期途中にモニターを新たに設置しプログラミング上の映像を見られるようにしたりと、いろいろな工夫を行っているとのこと。

上が実際に見えている状態、下がプログラミング上での状態。 上が実際に見えている状態、下がプログラミング上での状態。

実際には直接床に投影されている映像はごく一部で、鏡に反射した光が床に落ちているのだがそれも計算した上で映像を作っている。逆に床に投影してカートに載せた鏡には映像が映らないパターンなどもあり。ぜひ実際見えている状態とプログラミング上での状態を見比べてほしい。

空間を把握しやすくするために途中で追加された格子模様。 空間を把握しやすくするために途中で追加された格子模様。

デジタルの動きの中に人間味を感じる作品

作品名 RGB|CMYK Kinetic:5枚のミラーディスクが空中に浮かんでるように動き、RGBカラーのスポットライトの光がディスクに反射して色彩豊かな光と影が同期して動く作品。 作品名 RGB|CMYK Kinetic:5枚のミラーディスクが空中に浮かんでるように動き、RGBカラーのスポットライトの光がディスクに反射して色彩豊かな光と影が同期して動く作品。

アート+コムの作品は、展示空間で流れている楽曲とディスクの動きが完璧にシンクロする計算し尽くした表現をする品だ。だがそのディスクの動きは非常に滑らかで、無機質で機械的な動きではなく、人が動かしているようにも感じるほど美しく動く。

両サイドの天井からワイヤーでディスクを動かしているのだが、どうすればこんなに滑らかに動くのか不思議だ。ぜひ会場で確認してほしい。 両サイドの天井からワイヤーでディスクを動かしているのだが、どうすればこんなに滑らかに動くのか不思議だ。ぜひ会場で確認してほしい。
2チームの過去作品やプロセスを見られるエリア。制作の裏側を見ることができる貴重な映像集。 2チームの過去作品やプロセスを見られるエリア。制作の裏側を見ることができる貴重な映像集。

ライゾマティクスリサーチ、アート+コム共に単なるデジタル表現で終わることなく、鑑賞者と作品の関係性の中や、作品自体の動きから人間味を作品に感じられる。それらは卓越した技術があるからこそできるものだと思うし、そういった技術力を読者にも感じてもらえたらと思う。また三連休の18日、19日、20日は開館時間が延長され午後8時までとなっているのでこの機会に足を運んでみてはどうだろう。

アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」
会期:2017年1月14日(土)~3月20日(月・祝)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーA
開館時間:11:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
*金/土曜日、3月19日(日)、20日(月・祝)は開館時間延長 11:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
入場料:一般・大学生 500円/高校生以下無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
オフィシャルサイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/art-com-rhizomatiks-research-poetics-structures-of-light-and-motion/

今人気の記事はこちら

  1. 春から意識を下げていこう!新社会人を頭が悪い工作で応援してみた
  2. Raspberry PiやArduinoを採用、約9万円で入手可能な6軸ロボットアーム「Niryo One」
  3. ゲームをつくって楽しもう——高校生向けPython入門書「ゲームを作りながら楽しく学べるPythonプログラミング」発刊
  4. ROSでロボットを動かそう——「Raspberry Piで学ぶ ROSロボット入門」発刊
  5. 炭素繊維の用途が広がるか——LLNL、炭素繊維を複雑な形状での3Dプリントに成功
  6. 「志村!うしろ!」の後ろにいたデザイナー 山田満郎の「全員集合」舞台デザイン
  7. サイボーグ義足で東京パラリンピックは金メダルを! スポーツ工学を考慮したテクノロジーで世界最速ランナーの育成を目指す
  8. 世の中の偏差値を下げろ!「頭の悪いメカ発表会」
  9. コアラのマーチの絵柄を消すマシンを作る
  10. Raspberry PiやArduinoでGroveセンサが使える——Groveセンサキット「800-RPSET1_2」

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る