今週行ってみたいイベント
機械たちの振る舞いに思わずドキッとさせられる、日仏メディア・アートの祭典 第6回「デジタル・ショック」
日本とフランスの文化交流と創造性の広がりを紹介するメディア・アートのフェスティバル「デジタル・ショック」—欲望する機械—が2017年3月20日まで開催しています。 今年で6回目を迎え、インスタレーション、ライブ・パフォーマンス、対談等さまざまなプログラムが都内各会場で企画されています。 今回は飯田橋駅付近にあるフランス政府公式の語学学校・文化センター「アンスティチュ・フランセ東京」に展示してあるインスタレーション作品を紹介します。生演奏をする「機械バンド」、似顔絵を描く「ロボットアーム」、デジタル上で取引される株価と共に「変動する写真」、アート好きだけでなくエンジニアにもオススメの計3作品が展示されています。
機械が人間の仕事をする不可思議な展示
最初に建物1階、入り口付近で出迎えてくれるのが、「モーターファミリー・ジャム・バンド」。
機械達の「生演奏」は、会場にあるヘッドホンで聴くことができます。3/12、18を除く毎日13:00~13:20には、スピーカーを使ったパフォーマンスも行っています。コンピューター・ミュージックとはまた異色な、予測不可能なリズムに思わず聞き入ってしまう展示です。
同じく1階にあるのがお絵描きロボットの作品。時折描く手を止め、モデルの顔をちらりと確認し、少し考える振りをし、また描くという動作が、武骨な機械が人間の絵描きを「演じている」ようでユーモアを感じました。
描き上げられた画は、記念碑インスタレーション作品「Collection」のひとつに加わるとのことです。ロボットに自画像を描いてもらいたい場合はウェブサイトからの予約をお忘れなく。
デジタル技術は時に私たちの常識にショックを与える
インターネット上の株価の動きに応じて変化する文字列が、本来なら静止したものであるはずの写真を「動的」なものになるトリッキーな作品です。デジタル技術によって金融情報の透明性が確保される一方で、写真がもつ情報が不確かなものに思えてきます。
アンスティチュ・フランセ東京 文化部主任のサンソン・シルヴァンさんによると、デジタル・ショックは毎回テーマが異なり、今回は「欲望する機械」。
「ロボットと人工知能、そしてクリエーションとの関係に着目し、特に、今日機械に囲まれている中で私たちが機械に対して抱く感情などについて取り扱った作品を集めました」(サンソン・シルヴァンさん)
日仏のメディア・アートを通して、テクノロジーと人間との関係の行く末に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
第6回「デジタル・ショック」—欲望する機械—
会期:2017年2月10日(金)~3月20日(月・祝)※本記事の展示は19日(日)まで
会場:アンスティチュ・フランセ東京、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)、渋谷WWW、gallery COEXIST-TOKYO、EARTH+GALLERY、座・高円寺、ほか
入場料:アンスティチュ・フランセ東京での展示は、無料
主催:アンスティチュ・フランセ東京
オフィシャルサイト:http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/digital-choc-2017/