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デンマークが生んだデザイン史に残る名品——デンマーク・デザイン(横須賀)

日本・デンマーク外交関係樹立150周年を記念して「デンマーク・デザイン」展が2017年6月25日まで横須賀美術館で開催されている。国を上げてデザインに力を入れ、色あせない名デザインを世界に送り出してきたデンマーク。18世紀から現代までのプロダクトデザインを中心に、その歩みを見ることが出来る展示となっている。

世界的デザイナー達を育てたデンマーク・デザインの父

コーオ・クリント:テーブルランプ〈レ・クリント306〉 コーオ・クリント:テーブルランプ〈レ・クリント306〉

20世紀を代表するデンマーク人デザイナー達を育てたコーオ・クリント。日本ではあまり知られていないが、デンマークではデザインの父として今なお愛されている。王立美術アカデミーに家具専攻科を設立し、初代教授としてウェグナーやヤコブセンなど次世代の多くのデンマーク人デザイナーを教育し影響を与えた。

ペンダントランプ〈レ・クリント101c〉 ペンダントランプ〈レ・クリント101c〉

デンマーク・デザインの黄金期を築いたデザイナー達

1950年前後に活躍したハンス・ウェグナーやフィン・ユール、アーネ・ヤコブセンなどがデザインを手掛けたプロダクト。国際的に評価を受け、今も全世界で愛されるデザインが並ぶ。コーオ・クリントから学んだ次世代のデザイナーたちはクリントの時代のジオメトリックなデザインとは異なり、有機的なデザインを全面に押し出した物が多い。

ハンス・ウェグナー:左からY-チェア、ラウンドチェア、肘掛け椅子〈CH27〉 ハンス・ウェグナー:左からY-チェア、ラウンドチェア、肘掛け椅子〈CH27〉
Y-チェア広告ポスター:1965年ごろにデザインされたものだが今もスタイリッシュに感じられる。 Y-チェア広告ポスター:1965年ごろにデザインされたものだが今もスタイリッシュに感じられる。
アーネ・ヤコブセンが小学校用にデザインした机と椅子。ヤコブセンは成型合板などの当時新しかった技術に積極的に挑み、量産可能な家具をデザインした。 アーネ・ヤコブセンが小学校用にデザインした机と椅子。ヤコブセンは成型合板などの当時新しかった技術に積極的に挑み、量産可能な家具をデザインした。
アーネ・ヤコブセン:左からスワンチェアとエッグチェア アーネ・ヤコブセン:左からスワンチェアとエッグチェア

デンマークのデザイナー達が独創的なデザインを送り出した背景には、PPモブラーなど当時まだ若い家具メーカーの存在が不可欠だった。若手デザイナーの提案を採用し、前例のない物に積極的に挑戦したからこそ今日の定番が生まれている。現代でも新しい物を生み出そうとしているハードウェアスタートアップの多くが、実現するまでにいろいろな壁にぶつかっている。実現させたいものの良さに共感してくれ、共に挑戦してくれる生産パートナーを見つけることは今も昔も変わらず重要だ。

ヤコブ・イェンスン:ポータブルラジオ〈ベオリット600〉 ヤコブ・イェンスン:ポータブルラジオ〈ベオリット600〉
ポール・ヘニングスン:ペンダントライト ポール・ヘニングスン:ペンダントライト
現代のデンマーク・デザイン 現代のデンマーク・デザイン
忘れてはならないLEGOもデンマーク・デザイン代表だ。 忘れてはならないLEGOもデンマーク・デザイン代表だ。

デンマーク・デザイン
会期:2017年4月28日(金)~6月25日(日)10:00~18:00
会場:横須賀美術館(神奈川県横須賀市鴨居4-1)
入場料:一般1000円、高校生・大学生・65歳以上800円、中学生以下無料
休館日:6月5日(月)
オフィシャルサイト:
http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/1701.html
主催:横須賀美術館

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