新しいものづくりがわかるメディア

RSS


今週行ってみたいイベント

紙とデジタル印刷の可能性——現象体 無版×ファインペーパー展(神保町)

最新のデジタル印刷加工技術とファインペーパーを掛け合わせ、新しい紙の可能性を探る試みを展示した「現象体 無版×ファインペーパー」展が、2017年9月29日まで製紙会社の竹尾が運営する見本帖本店2Fで開催している。

実験を繰り返し生まれた新たな表現

UVインクジェット、デジタル箔押し、デジタルUVニス、蛍光トナー、レーザーカットなどデジタル技術が進化し、印刷業界にはコスト的にも表現方法的にも新たな風が吹いている。いままで版が必要だった印刷技法を、無版で行えるようにし、同じ表現の再現とさらに新たな表現の探求の結果が展示されている。

刷られる立体(UVインクジェットプリンター使用):立体に直接印刷できる特徴を活用。紙の束の上からや、重ねた紙をずらしたりして印刷をしている。 刷られる立体(UVインクジェットプリンター使用):立体に直接印刷できる特徴を活用。紙の束の上からや、重ねた紙をずらしたりして印刷をしている。
無造作印刷(UVインクジェットプリンター使用):配置場所の正確さをあえて崩してみる。 無造作印刷(UVインクジェットプリンター使用):配置場所の正確さをあえて崩してみる。
インクの中の紙(UVインクジェットプリンター、レーザーカッター使用):紙の上にインクを乗せるのではなく、インクの中に紙を挟み込む。紙と印刷の一般的な関係を転換してみる。 インクの中の紙(UVインクジェットプリンター、レーザーカッター使用):紙の上にインクを乗せるのではなく、インクの中に紙を挟み込む。紙と印刷の一般的な関係を転換してみる。
インクのレンズ(UVインクジェット):インクをレンズのような形状に印刷することで、内容物が見る角度によって違ってくる。 インクのレンズ(UVインクジェット):インクをレンズのような形状に印刷することで、内容物が見る角度によって違ってくる。
空間平面(レーザーカッター):数枚の紙が重なっているように見えるが、実際は1枚の紙で、重なったりはしていない。 空間平面(レーザーカッター):数枚の紙が重なっているように見えるが、実際は1枚の紙で、重なったりはしていない。
極小の箱(レーザーカッター使用):外形線をカット、折り目をハーフカットで加工し作られた1×1×1mmの正方形。型では絶対に抜けない細かさだ。 極小の箱(レーザーカッター使用):外形線をカット、折り目をハーフカットで加工し作られた1×1×1mmの正方形。型では絶対に抜けない細かさだ。
デジタル箔押しを使った実験では、かなり細かく箔押しができ、グラデーションなども可能になった。 デジタル箔押しを使った実験では、かなり細かく箔押しができ、グラデーションなども可能になった。
企画で制作されたサンプルは会場で販売されている。 企画で制作されたサンプルは会場で販売されている。

UVプリンターやレーザーカッターなどものづくりに関わる人にはおなじみのツールになってきているが、実はまだまだ私達が知らないだけで、面白い表現を生み出せる可能性があるのだと改めて気付かされる展示となっている。そしてデジタルツールは版がいらないため低コストでたくさんの実験ができるのも利点の一つなので、ぜひこの展示を見て新しい表現にチャレンジしてほしい。

「現象体 無版×ファインペーパー」展
会期:開催中~9月29日(金)10:00~19:00
休館日:土、日、祝日
会場:見本帖本店(東京都千代田区神田錦町3-18-3)
入場料:無料
オフィシャルサイト:https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20170804.html
主催:竹尾

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る