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日本人が愛するデザイン——フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン展(府中)

マリメッコの生地、イッタラやアラビアの食器、アアルトの家具などを生み出した国フィンランドの独立100周年を記念して「フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン」展が2017年10月22日まで府中市美術館で開催されている。19世紀から今日までのフィンランドデザインの歩みを一挙に見ることができる展示となっている。

世界で、日本で、愛されるデザイン

タピオ・ウィルカラ:オブジェ<レヘティ(草)> タピオ・ウィルカラ:オブジェ<レヘティ(草)>

フィンランドデザインの核心には「人間と自然の調和」という考え方があり、それが19世紀から受け継がれている。自然素材を使うだけでなく、滴や木の葉など自然界にあるものからインスピレーションを受け形にしていくことが多い。

アルヴァ・アアルト:ステンレスボウル アルヴァ・アアルト:ステンレスボウル
アルヴァ・アアルト:ボウル、キャンドルホルダー、花瓶など アルヴァ・アアルト:ボウル、キャンドルホルダー、花瓶など

北欧を代表するデザイナー、アルヴァ・アアルトがデザインしたボウル、キャンドルスタンド、花瓶はフィンランドの湖をモチーフにしている。1936年から現在まで愛されている製品だ。

アルヴァ・アアルト:レリーフ アルヴァ・アアルト:レリーフ

極寒の冬や白夜の夏など、厳しい環境の中で自然の恵みを大切にし調和を重んじるフィンランド人の暮らしは、日本人の暮らしと似ているのかもしれない。きっとそんな考え方や暮らし方から生まれたデザインだからこそ日本人にも受け入れられているのだろう。

アルヴァ・アアルト:アームチェア<パイミオ> アルヴァ・アアルト:アームチェア<パイミオ>
アルヴァ・アアルト:アームチェア<パイミオ>の一部 アルヴァ・アアルト:アームチェア<パイミオ>の一部

個性あるデザイナーたち

フィンランドを代表するデザイナーたちとして、「ムーミン」を生み出したトーベ・ヤンソン、グラフィックデザイナーのエーリック・ブルーン、テキスタイルデザイナーのヴォッコ・エスコリン、製品デザイナーのエーロ・アールニオなどが挙げられる。中でもfabcrossが紹介したいデザイナーが、エーロ・アールニオだ。彼が生み出すかわいらしく斬新なデザインはいつの時代でも人々を魅了する。

エーロ・アールニオ:照明<ダブルバブル> エーロ・アールニオ:照明<ダブルバブル>
エーロ・アールニオ:左からオブジェ<ピンギー>、椅子<ディーノ>、椅子<ミニポニー> エーロ・アールニオ:左からオブジェ<ピンギー>、椅子<ディーノ>、椅子<ミニポニー>
展示では現在活躍中のデザイナーたちの作品も展示されている。 展示では現在活躍中のデザイナーたちの作品も展示されている。

生活空間に置いていて違和感がないものを生み出すのはとても難しい。家具でも家電でもそれは変わらない。長く暮らしの中に存在できる物はどこに魅力があるのか、ぜひ本展示を通して考えてみてはどうだろう。

「フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン」展
会期:2017年9月9日(土)~10月22日(日)10:00~17:00
休館日:月曜日(9月18日、10月9日をのぞく)、9月19日(火)、10月10日(火)
会場:府中市美術館(東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内)
入場料:一般900円、高校生・大学生450円、小学生・中学生200円
オフィシャルサイト:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/finland.html
主催:府中市美術館、日本経済新聞社

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