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自然を表現するデザイナー——「吉岡徳仁 光とガラス」(六本木)

日本人プロダクトデザイナーとして世界で最も注目されている吉岡徳仁が、光とガラスにフォーカスを当て自身の製品デザインを紹介する「吉岡徳仁 光とガラス」展が11月13日まで、六本木の21_21デザインサイトで開催されている。

ガラスから生まれる光の世界

吉岡徳仁が生み出すデザインは、日常生活で私達がよく使うような素材や一般には知られない特殊素材を用いて、そんな使い方があるのか!? と見る人に驚きと感動を与える作品が多い。特に近年では自然をテーマにした実験的な作品によって、光、音、香りなど非物質的な要素を用いて形の概念を超える独自の表現を生み出している。本展では、特殊なガラスを使って光の表現を模索し生み出された作品を見ることができる。

ウォーターブロック:スペースシャトルにも用いられた特殊素材を使ったベンチ。透明でありながら、表面の特殊な造形で複雑な光の反射が生まれる。 ウォーターブロック:スペースシャトルにも用いられた特殊素材を使ったベンチ。透明でありながら、表面の特殊な造形で複雑な光の反射が生まれる。
ウォーターフォール:これもスペースシャトルに用いられた素材を使用した机。長さは4.5mあるが、光の屈折がほぼなく断面を覗くと反対側の景色がはっきり見える。 ウォーターフォール:これもスペースシャトルに用いられた素材を使用した机。長さは4.5mあるが、光の屈折がほぼなく断面を覗くと反対側の景色がはっきり見える。
ガラスウォッチ:強化処理された無機ガラスを削り出し加工と研磨で1つ1つ仕上げ、時計の針をガラスの底に配置し時を封じ込めた印象をあたえる。 ガラスウォッチ:強化処理された無機ガラスを削り出し加工と研磨で1つ1つ仕上げ、時計の針をガラスの底に配置し時を封じ込めた印象をあたえる。
ガラスの存在感を感じさせる塊のような厚みが特徴。 ガラスの存在感を感じさせる塊のような厚みが特徴。
プリズム:日本人として初めてドンペリニヨンとコラボレーションして作られた作品。光がプリズムの表面を透過し屈折することで、無数の色のスペクトルが現れる。 プリズム:日本人として初めてドンペリニヨンとコラボレーションして作られた作品。光がプリズムの表面を透過し屈折することで、無数の色のスペクトルが現れる。
ウォーターブロック-カタナ:プラチナのモールドから生み出されており、水の塊のような不思議な形状。 ウォーターブロック-カタナ:プラチナのモールドから生み出されており、水の塊のような不思議な形状。

吉岡徳仁の作品は美術品を見ているようだが、それらは紛れもなく製品デザインだ。彼の制作プロセスや素材への探求心はエンジニアのようだが、素材を用いる手法はデザイナーそのもので、デザイナーが見てもエンジニアが見てもきっと興味をそそる部分がある展示だと思う。ぜひ会場に足を運んでみてほしい。

会場では吉岡徳仁の作品制作プロセスを映像で見ることができる。 会場では吉岡徳仁の作品制作プロセスを映像で見ることができる。

吉岡徳仁 光とガラス
会期:2017年10月2日(木)~11月13日(月)
開館時間:10:00~19:00(入館は18:30まで)
会場:21_21Design sight Gallery3(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内)
入場料:無料
オフィシャルサイト:https://www.tokujin-glass.jp/
主催:セイコーウオッチ

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