今週行ってみたいイベント
科学とデザイン——「アサ・アシュア+マルセル・ヘルマー展」(末広町)
KYOTO Design Labが国際的なデザイナーを招待し、さまざまなテーマから作品を制作するプログラムの成果を紹介した「アサ・アシュア+マルセル・ヘルマー」展が、2018年2月25日まで京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab東京ギャラリーで開催されている。
竹の内部構造パターンをデザインに
京都工芸繊維大学が設立したKYOTO Design Labは、毎年国内外のデザイナーを招待してさまざまなプロジェクトを行っている。本展では過去に招待したデザイナーによる2つのプロジェクトのプロセスとその成果を紹介した展示となっている。どちらのプロジェクトも科学的観点からアプローチしてデザインに落とし込む手法が、素材科学や繊維技術と応用科学の専門的研究に力を入れている京都工芸繊維大学ならではの内容となっている。
展示されている1つ目のプロジェクトは、付加構造やデジタル印刷の活用におけるパイオニアのアサ・アシュアが手がけたプロジェクト。成長が速く、成長途中に光を感知して自身を修正・補強できる「マダケ属」というグループの竹に着目し、竹内部における幾何学的な3D構造を研究し、椅子のデザインや建材に落とし込んだプロジェクトだ。
ハエと人間の共通点
2つ目は、技術の基本とした経験から生み出される科学研究、実験的作品、デザイナーとのコラボレーションを軸にして活動をするコミュニケーションデザイナーのマルセル・ヘルマーのプロジェクト。ショウジョウバエに関して日常的に描くネガティブな印象と科学的重要性のギャップに注目し、医学的研究および生物学における科学的ツールとしてショウジョウバエは、とても重要な性質と価値があることを伝えるための新しい表現方法を見つける内容となっている。
展示を通して、科学的アプローチからデザインに落とし込む様子が非常に分かりやすく展示されていて、少し違った角度からコミュニケーションデザインやプロダクトデザインの分野を見ることができる刺激的な展示となっている。
アサ・アシュア+マルセル・ヘルマー展
会期:2017年12月20日(水)~2018年2月25日(日)
休館日:月曜日、火曜日
開館時間:12:00~19:00
会場:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab東京ギャラリー(東京都千代田区外神田6-11-14 3331アーツ千代田203号室)
入場料:無料
オフィシャルサイト:
http://www.d-lab.kit.ac.jp/events/2017/assa-marcel/
主催:京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab