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今週行ってみたいイベント

アイテムを3Dプリンターでオンデマンド製造/販売、インテリアショップとスイスの美大がコラボした新たな取組み——「ECAL DIGITAL MARKET」(外苑前)

スイスのローザンヌ美術大学(ECAL:Ecole cantonale d’art de Lausanne)とインテリアショップのCIBONEのコラボレーションにより、店内に設置した3Dプリンターで作った製品を展示販売するイベント「ECAL DIGITAL MARKET」が2019年5月29日までCIBONE青山で開催されている。

デジタルマニュファクチャリングが変える小売の未来を体験

試作品などを請け負うサービス事業者の工場に3Dプリンターが並ぶ光景は増えてきているが、インテリアショップのような小売店舗に複数の3Dプリンターを並べ、その場で製造と販売を行う試みはなかなか見たことがないのではないのだろうか。ECAL Digital Marketは3Dプリンターを多数有するプリントファームを展示空間に設け、デジタルマニュファクチャリングを製造ツールとして提示するプロジェクトだ。本展示ではFormlabsの3Dプリンター8台がさまざまなアイテムを製造し、それらアイテムをその場で販売している。色は全て黒で統一されており、洗練されたデザインで完成度の高いアイテムが用意されている。

商品として買えるものと、コンセプトモデルだけで購入できないものが展示されている。 商品として買えるものと、コンセプトモデルだけで購入できないものが展示されている。
キャンドルスタンド Design by Alexis Georgacopoulos キャンドルスタンド Design by Alexis Georgacopoulos
器 Design by Byongseon Bae 器 Design by Byongseon Bae
靴べら Design by Ignacio Merino 靴べら Design by Ignacio Merino
はさみ Design by Miji Noh はさみ Design by Miji Noh
櫛 Design by Chelsea Park 櫛 Design by Chelsea Park
ホイッスル Design by Anthony Guex ホイッスル Design by Anthony Guex

製品のデザインを担当しているのは、ECALのプロダクトデザイン修士課程の学生とECALに縁のあるデザイナーだ。3Dプリンターの特性を生かしたデザインが多く、今まで量産では再現できなかったような形状の製品や、複数パーツで構成された製品を1回の出力で造形していたり、一見とてもシンプルな形状だがよく考えられてデザインされている。また流通面においても、その場で製造され、市場に出ていくことで、これからのデザイン産業がどれほど迅速かつ透明性のあるものになるかをうまく伝えている。本展示は期間限定だが、近い将来同じような形態で製品製造から販売まで行うブランドやショップが出て来そうだと、非常に期待が持てる展示になっているのではないだろうか。短い展示期間だがぜひ足を運んでみてほしい。

ECAL DIGITAL MARKET
会期:2019年5月23日(木)~5月29日(水)11:00~21:00
会場:CIBONE 青山
入場料:無料
休館日:不定休
オフィシャルサイト:https://www.cibone.com/news_exhibition/4247/
主催:CIBONE

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