新しいものづくりがわかるメディア

RSS


fabなび

FabLab Fujisawa(神奈川 藤沢)

日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は神奈川県藤沢市にある「FabLab Fujisawa」。文化複合施設「湘南T-SITE」内のラウンジスペースにある、地元密着型のファブ施設だ。

最先端のスマートタウン「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」の中心文化複合施設「湘南T-SITE」。そのなかにあるのが「FabLab Fujisawa」だ。2014年12月に湘南T-SITE内にものづくりを通じたコミュニティを目的としたファブスペース「湘南ラウンジ-FabSpace-」がオープン。2015年5月1日に「FabLab Fujisawa」としての展開を開始した。FabLab Shibuyaの井上恵介さんがファブマスターとして運営を行っている。

ラウンジ内にはFabSpaceで利用する材料の展示や、自由に閲覧できる雑誌などがある。 ラウンジ内にはFabSpaceで利用する材料の展示や、自由に閲覧できる雑誌などがある。

「ものづくりを促進できるような場所としたファブスペースとしてオープンしました。当初は、近隣の住民の方にものづくりに興味をもってもらうことを目的として、各機材の入門編のようなキットを作り、お客様の手書きのイラストや文字などを入れるだけで できるスタンプや、木のリングなど、ハードルの低いものを提案していました。」(CCC、湘南ラウンジ-FabSpace-担当の山本翼さん)

FabLab Shibuyaが運営する「&Fab」と似たコンセプトのスペースとしてスタート。お客さんがT-SITE内で買った商品や自分で持ち込んだものに名入れをしたり、ちょっとした加工をしたりするというスペースだった。

「意外に、自由にものづくりをしたいという方が多かったんですね。表札を作りたい、玄関に置くウェルカムボードを作りたいという方が大勢いらっしゃって。そういう方たち向けに、自由に機材を使えるファブラボ的な要素があったほうがいいのではということで、ファブラボの機能を付加することにしました」(FabLab Fujisawaの井上恵介さん)

ラウンジスペースは、誰もが自由に使える。ものづくりスペースとして利用することもできるよう、電源を備えたテーブルも用意している。3Dプリンタなども使うことができる。

「ショーケースや本棚に、アートフロントギャラリーさんに提供いただいているアート作品だったり、ケイズデザインラボさんにご協力いただき、著名なクリエイターが作ったプロダクトのモックアップだったり、3D出力された触って見る絵画のようなアカデミックのものまでを展示して、完成前のものから完成しているものまで、いろんな過程のプロダクトを見てもらい、クリエイティビティを刺激するように工夫しています」(山本さん) 

3Dプリンタで出力した絵画作品も展示している。 3Dプリンタで出力した絵画作品も展示している。

ほかのファブ施設とは異なり、商業施設内にある開放的なラウンジのため、人の出入りが多いのが特徴。開館時間内であれば自由に利用することができる。一見、ものづくりをするスペースには見えないほどだ。

しかし、ちょっと視線を移動するとそこにはガラス張りのファブスペースがある。ここには、レーザーカッター、3Dプリンタ、スキャンカッター、UVプリンタなどが設置されている。これらの機材を自由に自分で使いたいという場合は、講習を受け、FabLabユーザーになればよい。 

ファブスペースはエスカレーター脇にある。ガラス張りになっており、外からも見える。 ファブスペースはエスカレーター脇にある。ガラス張りになっており、外からも見える。

ライトなものづくりユーザーと、ヘビーなファブ系ユーザーの両方が使える場所が理想だという。

「ライトな方々には、キットを購入して短時間で体験してもらいます。ヘビーなファブ系ユーザーにはFabLabとして開放している水曜日や週末の時間を使って自分のアイデアを形にしていくものづくりを行ってもらいます。両方に答えられるひとつの方法として、FabLabという形態も必要なのかなと思います」(井上さん)

ものづくり体験の一環として、外部企業とのコラボレーションも数多く行っている。建築資材の端材を提供してもらい、それを基に表札を作るワークショップや、不要な毛糸を埋め込んだアクリル素材を使ってのアクセサリ作り、廃棄自転車のリノベーションなども行っている。具体的な事例を見せていくことで、何ができるのかを伝えることが目的だ。 

カウンターでは手軽にものづくりを楽しめる各種キットを販売している。スタッフのサポートを受けながら、ベースとなるキットにお客様のアイデアを加えてオリジナルのものを作ることができる。 カウンターでは手軽にものづくりを楽しめる各種キットを販売している。スタッフのサポートを受けながら、ベースとなるキットにお客様のアイデアを加えてオリジナルのものを作ることができる。

毎週水曜日には、「Fab Wednesday」と称して、デジタルものづくり講習会で使い方を学んだ機材を自由に使用でき、他のユーザーとの交流や意見交換などを行う場を提供。今後はイベントなども予定している。

「今後は、イベントやワークショップを充実させていきたいですね。機材面でははんだごてなども導入して、少しずつ電子工作的な方面にも力を入れていこうと思います」(山本さん)

「世界的に見てもUVプリンターを備えたファブラボは珍しいので、そうしたこともひとつの強みとしながら、FabLab Fujisawaらしいコミュニティを作っていければと思っています。」(井上さん) 

概要

所在地

神奈川県藤沢市辻堂元町6-20-1
湘南T-SITE 1号館 2F

営業時間

13:00~20:00
(毎週水曜日はFabLab Fujisawaとして利用可能)

ウェブサイト

湘南ラウンジ -Fab Space-
http://real.tsite.jp/shonan/fab/

FabLab Fujisawa
http://fablabfujisawa.org/

湘南ラウンジ
-Fab Space-
クリエイティブコース料金表

3Dプリンタ
500円/10分 材料費50円/g

カッティングプロッター
1500円(30cm×30cmまで)

UVプリンタ
2000円(名刺サイズまで)、3000円(ハガキサイズまで)、4000円(A5サイズまで)、5000円(A4サイズまで)、6000円(A3サイズまで)

レーザーカッター
2000円/10分(超過1分につき150円)

湘南ラウンジ
-Fab Space-
カスタマイズコース料金表

UVプリンタ
1500円(名刺サイズまで)、2500円(ハガキサイズまで)、3500円(A5サイズまで)、4500円(A4サイズまで)、5500円(A3サイズまで)

レーザーカッター
1000円(名刺サイズまで)、1300円(ハガキサイズまで)、1400円(A5サイズまで)、1500円(A4サイズまで)
※レーザー加工は加工時間が10分を超えた場合、1分ごとに100円の超過料金がかかる

その他各種体験キットや、季節ごとのキャンペーンを実施している

FabLab Fujisawa

Fab Wednesday、FabLab Night
ワンドリンク制(湘南ラウンジまたはスターバックスコーヒーで購入。材料費は別途)

デジタルものづくり講習会
各回3000円(税抜)

その他にも不定期でさまざまなイベントやワークショップを開催している。

 

機材

UVプリンタ:「ミマキエンジニアリング UJF-3042HG」 UVプリンタ:「ミマキエンジニアリング UJF-3042HG」
3Dプリンタ:「MakerBot Replicator Z18」 3Dプリンタ:「MakerBot Replicator Z18」
3Dプリンタ:「MakerBot Replicator 2X」 3Dプリンタ:「MakerBot Replicator 2X」
カッティングプロッター:「brother ScanNCut CM10」 カッティングプロッター:「brother ScanNCut CM10」
CNC工作機:「ShopBot Buddy BT32」 CNC工作機:「ShopBot Buddy BT32」
レーザー加工機:「trotec Speedy 300」 レーザー加工機:「trotec Speedy 300」

関連情報

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る