fabなび
【閉鎖】FERMENT(神奈川 藤沢)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は神奈川県藤沢市にある「SQUARE Lab 食とものづくりスタジオ FERMENT」。キャッチフレーズは「“食”と“つくる”を楽しむ」だ。
※当施設は閉鎖しています。本記事は取材当時のものです。(fabcross編集部追記 2023年5月1日付)
オープンは2014年11月。地域住民と作っていく新しいタイプのスマートタウン「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FujisawaSST)」内にある複合施設「FujisawaSST SQUARE」(湘南T-SITE 3号館)の1階にある。
3Dプリンタやデジタル刺しゅうミシンなどのほかに、調理器具も多く、一見するとファブ施設には思えない。
FERMENTの運営は、食べ物をデザインしてコミュニティづくりに役立てる活動をメインに行っているNPO法人「フードデザイナーズネットワーク」。なぜ、食べ物をメインに扱うNPOがファブ施設の運営を行うようになったのだろうか。
「FujisawaSSTの構想のなかに、街のコミュニティ施設やファブスペースを設けるというものがあって、そこで私たちに声がかかりました。ファブはものづくりですが、食べ物も一種のものづくりですよね。特に食べ物は誰にでも共通するもの、誰にでも触れ合えるものだと思います。そこで、“食とものづくりスタジオ”という形態になりました」(FERMENTスタッフ 小枝指来実さん)
FERMENTは会員制になっており、入会金1500円。会員になると、FERMENT内のスペースや機材を利用することができる。ファブ系の機材は別途講習を受ける必要があるが、それ以外の機材は会員ならば比較的自由に利用可能だ。
「機械を使うための場所という側面もありますが、この場所自体に集まってほしいと思っています。機材を使わなくてもシェアスペースとして利用していただいても構いません。サークル活動を行ったり、ワークショップを行ったりと、作業スペースということにこだわらない運営をしています」(小枝指さん)
ファブ系機材としては、レーザーカッターや3Dプリンタ、CNC、刺しゅうミシン、カッティングマシンなどが用意されている。これらを利用するために訪れる人ももちろんいるが、ワークショップへの参加者も多いそうだ。
ワークショップのジャンルは、レザーキーホルダーの作成、ミシンの基礎講座、ワンピース作り、木製の箱型打楽器であるカホン作成などのものづくり系から、男性向け料理教室、日本酒の利き酒、オーガニックスパイス講座、コーヒーのハンドドリップ講座などの食系、キッズプログラミングや万華鏡づくり、コマ撮りアニメ制作などのこども向けまで、幅広いのが特徴。ほぼ毎日、何かしらのワークショップが行われているという。
「オープンして感じたことは、年齢層が幅広いということ。ミシンは女性がメインだろうなと思っていたら、男性にも人気だったり、レーザーカーターを使ってものづくりをする女性も多くいらっしゃいます」(小枝指さん)
また、食品加工室があるのも特徴的だ。食品加工室があれば、そこで調理加工した食品を販売することが可能となる。地元の住民が料理をしたものを販売できるようにという配慮から作られたそうだ。それだけ、地元に根ざした場所を目指しているといえる。
「私たちはFERMENTをコミュニティ施設と言っています。これからもっと利用者を増やして、新しいコミュニティができ、地域が盛り上がるようになればいいなと思っています」(小枝指さん)
「FERMENT」とは「発酵する」、「醸成する」という意味の英語だ。この名前には、FERMENTを通じて地域やコミュニティを作り、みんなで熟していきたいという意味が込められている。ものづくりをきっかけに交流できる場所。これまでの施設とは一味違う、新しいタイプのファブ施設といえる。
概要
所在地 |
神奈川県藤沢市辻堂元町6-21-1 |
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営業時間 | 10:00~21:00 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌火曜日) |
ウェブサイト | http://www.ferment.or.jp/ |
料金 |
入会金 |
機材
※記事初出時、スタジオ利用料平日90分に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。