fabなび
西千葉工作室(千葉 みどり台)
日本全国のファブ施設を紹介する「fabなび」。今回は千葉県千葉市にある「西千葉工作室」。のどかな住宅街にあるものづくりスペースだ。
西千葉工作室がオープンしたのは2014年6月。千葉大学出身者たちが集まり「自分たちの街にものづくりスペースを作りたい」という思いから、オープンに至ったという。
京成千葉線みどり台駅から徒歩1分ほどのところにある住宅街の道路に面したビルの1階にあり、道路側はガラス張りとなっているためかなり開放的。ほかのファブ施設に比べても、オープンなイメージ。店舗は工作スペースとカフェスペースに分かれている。工作をせずカフェだけの利用もOKだ。
「住宅街にあるので、地域の人にどう使ってもらうのかというのがメインテーマです。カフェと工作という2種類の利用形態があるので、近所の家族が遊びに来たり、自治会長さんがコーヒーを飲みに来たりもします」(西千葉工作室、小柳さん)
工作スペースは1回1000円、カフェの利用は1回500円。いずれもワンドリンク付きで、利用時間に制限はない。Wi-Fiや電源も使えるので、カフェスペースでパソコンを開いて作業をしている人も多いそうだ。
「ファブ施設としては安めの値段設定かもしれません。メニューに食事はないので、途中で外に食べに出ていただいても問題ありません。レーザー加工機と3Dプリンタは追加料金をいただいていますが、それでも都内のファブ施設に比べると安いと思います」(小柳さん)
利用者は幅広く、千葉大学でデザインや建築を学んでいる学生が、課題をやりに来たり、ものづくりにはあまり興味がない年配の方が、学生などとおしゃべりを楽しんだりしているという。
スタッフは学生ボランティアを中心に30名ほど在籍する。スタッフを中心に「部活動」を行っており、継続的な活動に繋がりつつあるという。
なお、現在人気がある機材はレーザー加工機とのこと。デザイン系や建築系の学生が課題で使うパーツを作ったり、プレゼントに名前を刻印したいというお客さんや、親子連れできて何か作りたいというアバウトな要望もあるが、そのようなときは、子どもに絵を描いてもらってそれをスキャンし、レーザー加工機で出力をしているという。
そのほか、地域住民との交流を目的にイベントも開催。飲食店とコラボレーションをしたオクトーバーフェストや、3Dプリンタを見ながらのお茶会などを行った。
「住民の方から3Dプリンタについて知りたい、3Dプリンタを動いているところを見たいという要望があったので、詳しい学生スタッフに実演してもらったんです。家族連れや年配の技術系の方など幅広い層に来ていただいて、いいイベントになったと思っています」(小柳さん)
この日は「稲毛シャルソン」の開催日。シャルソンとは「ソーシャルマラソン」の略。通常のマラソンはゴールまでの決まったコースを走るが、シャルソンでは指定された区域内の各チェックポイントを自由に回り、それぞれのチェックポイントが用意したイベントをクリアしていくというもの。マラソンとは言っても特に走る必要はなく、自由に街を歩き回って体感しようという主旨だ。
西千葉工作室は稲毛シャルソンの“給「つくる」ポイント”となっており、訪れた人はオリジナルの手ぬぐい作りを行っていた。今後はさらに地域に溶け込み、街で共有するものづくりスペースにしていきたいとのこと。
「最終的には、“地域のものづくりの場”としてみなさんで共有できるスペースになれればいいなと思っています。図書館や公民館のようなイメージです。スタッフとお客さんという明確な垣根もなく、スタッフが分からなければ隣にいたお客さんが教えてあげてもいいですし。地域の人たちがつながる場所、街になにかのきっかけを作ることができる場所が理想です」(小柳さん)
概要
所在地 | 千葉県千葉市稲毛区緑町2-16-3 萩原ビル1階 |
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営業時間 |
水~金曜日 11:00~21:00 |
ウェブサイト | https://www.facebook.com/nishichibaksks |
料金 |
カフェスペース利用 |
機材
※記事初出時、文中に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。